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02





あ―…、終わった終わった。
恥ずかしかった―。


あのツッコミ(にしとく)に対して周りはポカン、とした後爆笑が起きた。
爆笑の渦の真ん中が栗木田な訳で、恥ずかしかったもの凄く。



「杏子ちゃん!!」

『麻梨紗ちゃん、どうしたん?』

「うちら、同じクラスだって!」

『うっそまじで!?やったね!!』


麻梨紗ちゃんと同じクラスなんて…。
神様ありがとう…!




…………………




栗木田らぁのクラスに着いた。
クラスに足を踏み入れると、わっと栗木田の周りに人、人、人。



「見とったでぇさっきの!!」

「あの教員共のアホ面拝ましてもろたわ―、おおきに!」

「自分おもろいなあ!名前何て言うん?」


ちょっと、タンマタンマ!!
やめて栗木田こういうの慣れてないの!
転校とか初めてだしもう恥ずかしかったしで頭がドゥ・パーン!!なの!! 


『栗木田?栗木田はなぁ、栗木田って言うんよ―』

「それ苗字やん!!」

「名前名前!」

『栗木田下の名前言うの苦手なんよ―。
あ、杏子言います。仲良くしてやってなあ―』

「杏子やな!覚えたで!」

「でも自分見た事ない顔やなあ、どこ中?」

『栗木田、ここ出身じゃねぇんよ。岡山なん』

「岡山ぁ?岡山ってどこや」

ググれ。まあ、田舎じゃな』

「ほぉ―ん、そんなとこにこんなオモロいヤツおったんやなあ」

『お世話をありがとうウヘヘ』

「ウヘヘとかキモいわ!!」

どっと笑いが起きておばあちゃん一安心。
後から栗木田が結構地味なヤツなんばれるかもしれんけど、出だしは好調じゃねぇんかな。




がらりと前のドアが開き、うちの担任っぽい教員が入って来た。
皆一斉に席に着く。
栗木田と麻梨紗ちゃんは席を確認しとらんかったから、焦ったけど心優しいクラスメートが席を教えてくれた。
栗木田は真ん中二番目で、麻梨紗ちゃんは右端の一番前。
近くて本間ラッキーじゃ。ラッキー栗木田、なんつって!
嗚呼、お礼を言わんとな。
ありがとう名もなきモブよ。

…あれ、栗木田の隣おらんがん。




席に着いた後、先生が出席を確認する。


「――…、遠山―。
………遠山?何や、アイツ初っ端から遅刻かいな」



その遠山とは栗木田の隣人さんか。
初っ端から遅刻とかどんな漫画のキャラじゃろうか。
まあ、そんなキャラもおった方が楽しいじゃろ。



「遠山はおらんな―?よっしゃ遅刻つけたろ」


よっしゃとか言っちゃおえんじゃろ、そう心の中でツッコんだ時、ドアが開いた。真ん前のドア。


「先生ちょお待ってぇな!!」


あら良い声。
とか思ったら栗木田さんの苦手な不良さんじゃないか。
あ、でも赤髪萌え。そして良い体をお持ちのようで。


「遠山―遅いでぇ。あそこの席や、はよ座り」


先生が指したのは栗木田の隣の開いとる席…、やっぱ此処なんか!
何話そう何話そう、そう考えとったら栗木田の隣から声が聞こえた。



「ワイ遠山金太郎言いますねん!よろしゅうよろしゅう!」



………あら可愛い。



『栗木田は栗木田杏子って言います!
隣人さんよな?良かったら仲よぉしたってなあ!!』

「おん!」











………………



「杏子ちゃん凄いなあ!」


『…何が?』


「遠山金太郎ゆうたら有名人じゃもん!」


『あ、そうなんじゃ』


「中一ン時からテニス部のレギュラーでな、中一ン時は可愛い可愛い言われとったんじゃけど、中三になったらあの白石先輩を凌ぐ様なイケメンになったんよ!」


『へぇ―、凄いんじゃなあ』



こんな気の無い返事でごめんなさいじゃけど、栗木田は本間にこういう話題には興味ねかった。
ジャニーズとかもハマった事ねぇしな。



「あ―!!高校でもまた中学テニス部のメンツ揃って本間最高!!
明日写真持ってきたげるわ!」


『それはありがとう』




正直な話、遠山の中一写真は期待してたりする。
















(ファンクラブ限定の写真も持って来てあげるなあ!)

(は!?ファンクラブ!?)






・じゃねぇんかな=じゃないのかな




やっと金ちゃん出てきました…!!
まだまだ初歩の段階なので、白石とかが出るのはまだ先ですかね。

やっぱりギャグ書くの本当に楽しいです(^O^)!!
好評だと良いな―。







2011.7/9


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