01
四方八方から飛び交ううちの地元とは違う関西弁。
栗木田の目の前にある正門は大阪のあの学校、"四天宝寺"のそれだった。
その正門の下、待っていたのは栗木田の最愛の幼馴染み。
『麻梨紗ちゃん!!』
「杏子ちゃん!」
ぶんぶんと手を振りながらその幼馴染み・麻梨紗ちゃんの元へと駆け寄る。
『栗木田らぁ、やっと同じ学校に通えるんじゃな!』
栗木田はそれが嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。
栗木田らぁは幼稚園からの幼馴染みでお母さん同士も仲が良かったけぇ、別々の小学校に上がった後もよお遊びょ―た。
中学校に上がったら、やっと栗木田らぁ同じトコで過ごせるな、そう話しょ―た小学校六年の秋………そう、それは唐突に訪れた。
『―…えっ!!大阪に引っ越すぅうぅぅ!!!?』
「うん」
『え、ちょっまっ!
嘘じゃああああああ!!』
そんなこんなで引っ越した麻梨紗ちゃん。
引っ越した後も遊びょ―たけど、大阪とうちの地元。
六万円くらい余裕で越える距離、うちらは年に一回しか会えんようになった。
手紙だってうちらは殆どせんようになっとった。
(メールがあるがんって?
うちらずっと手紙交換しょ―たけぇ、メールはせんかったんよ)
そして中学校三年。
うちは進路が決まらんと嘆いとったけれど、地元の高校に無事合格。
卒業式もあともう少しってところで、それは突然訪れた…。
『はぁぁぁぁぁ!!!?
大阪に転勤んんんんん!!!?』
「おう」
『おうじゃねぇわダディィィイ!!
あたしあんなに頑張ったのに!頑張ったのにぃぃぃ!!』
「しっ!近所に聞こえるじゃろ!!」
『うちん家の会話いっつもご近所放送じゃけど!!!?』
「すまんけど、高校受験もう一回受けてくれん?」
『嫌じゃああああああ!!!!
てかまず都会何が嫌!都会怖い都会怖い地元最高ううう!!』
「受けて貰うんは"四天宝寺"言う高校何じゃけどなあ」
『勝手に話進めんなし!!
……………て、え?
四天宝寺ってあの四天宝寺?』
「おう」
『あの麻梨紗ちゃんの通っとる?』
「そういえば、そうじゃったなあ」←ママン
『ちょっと栗木田今からガチで勉強してくるわ』
……てな感じで栗木田はまた受験を受け、今現在この四天宝寺の入学式におれるんじゃ。
ガタッ!!
『!?』
大きな音がしたと思ったら、一気に視界が開いた。
………え?何で?
何で皆死んだ虫みたいになっとんの?
はっ!!!
そういえば手紙に書いとったわ!
〔四天宝寺の人らぁってなあ、校長のサッッムイボケに必ず転ばんとおえんのんよ〕
これかあああああ!!
にしてもいつボケた校長先生よ!
あんたの話おもんねぇけぇいつボケたんかわからんかったがん!!!!
<コラー!!そこの新入生、ちゃんと転ばんかい!!!!>
『そんなん知らんわボケがああああああ!!』
この栗木田のツッコミ(?)はこの後表彰される事となった。
・あたしらぁ=あたし達
・遊びょ―た=遊んでいた
・話しょ―た=話していた
・〜けぇ=〜から
・〜がん=〜じゃん
・殆どせん=殆どしない
・おえん(いけん)=いけない
やっちまったぜぶっ飛びギャグ連載。
しかも岡山弁だらだら。
よろしければ、こっちの連載とも仲良くしてやって下さい!←
にしても四天宝寺のメンバー、本当に出てないなあ。
2011.7/7
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