03
『………異様な光景じゃな』
「うちもう慣れた―」
お早うございます。
皆様のマドンナこと栗木田杏子です。
今日からはあたしらぁの先輩にあたる人も登校しとります。
昨日の入学式だけでも結構な人数がおったのに、本間にここの学校凄いんじゃなあ。
色んな意味で。
人数が多いからだろうか、
笑い所が笑えんこうなっとるのは。
四天宝寺の正門は別名"掴みの正門"と呼ばれており、登校の際に一発ボケをかまさないといけないらしい。
担当の先生方なんかも居るから本格的ってか強制だなオイ。
『栗木田あの中行きとぉねぇわ』
そんな神聖なる正門は人でごった返しとった。
ボケる人、ボケで被害を受けた人の罵声、誰かのボケで後ろが詰まってまた罵声が聞こえ、どこからは泣き声が聞こえてくる始末。
戦場に立たされた下っ端軍人の様な気分でした。
そんな事を思っていると、急に場の雰囲気ががらりと変わり、戦場の人混みは真ん中で綺麗に割れていた。
「杏子ちゃん!見てみぃ見てみぃ!!」
興奮気味の麻梨紗ちゃんの指す後ろを見てみた。
金髪が物凄いスピードでこっちに向かっている。
うちの制服だから、うちの生徒さんかね。
「フハハハハハハハァッハァッ!!
フハハハハハ!!!!」
金髪息切れしとる!!
そこは見せちゃおえんとこじゃろ!!
もう少し頑張ったらどうなん!?
てか、
笑い声ウゼェェェェ!!!!
「浪花のスピードスターの方が上やっちゅー話や!!」
「あぎゃあああああああ!!!!」
鼓膜ぅぅぅ!!
栗木田の鼓膜しっかりしろ!!
お前はまだ死んではならぬ!!
さっきの何とも言えない女子の叫び声は今も鳴りやまない。
そんな叫び声が麻梨紗ちゃんからも出とって、栗木田は泣きたくなった。
「フッハハハハハハハ…うぉっととととブヘッ!!」
金髪は正門に置いてあった看板の様なものに躓いてこけた。顔面着地だった。
思わず栗木田は感動してしまった。
あの躊躇ない見事なこけっぷり、こけた後のあのリアクション。
どこをとっても文句なし。
これが四天宝寺なのだと思うとぞくっとした。
栗木田も、後二年くらいすればあんな風になれるだろうか。
「まだ甘いな!!」
後ろから聞こえてきた無駄に爽やかな声。
振り返れば色素の薄い髪を持った男の人。
教員かと思ったら制服を来ていたからここの生徒らしい。
嘘をつけである。
その人はだだっと走ると綺麗に、高く、飛んだ。
「んん〜、エクスタブヒィッ!!」
「あんぎゃああああああああ!!!!!!」←女子一同
そのまま正門の一番上のとこに顔をぶつけた………え―、エクスタブヒィの人。
そのまま着地したエクスタブヒィは足をぴくぴくさせるというリアクションをとった。
不覚にも栗木田はまた感動してしまった。
・笑えんこう=笑えなく
・見てみぃ=見てみろ
無駄にも思えた今回のお話。
財前のアニキとの遭遇にしようか悩んだけどエクスタブヒィ達で。
最後に、3-2ファンの皆様。
色々とすいませんでした。
だけど管理人も3-2大好きです。
この中に※がちょくちょく変わってる事に気が付いてる人は何人居るんでしょうね。
2011.7/9
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