あ―…、終わった終わった。 恥ずかしかった―。 あのツッコミ(にしとく)に対して周りはポカン、とした後爆笑が起きた。 爆笑の渦の真ん中が栗木田な訳で、恥ずかしかったもの凄く。 「杏子ちゃん!!」 『麻梨紗ちゃん、どうしたん?』 「うちら、同じクラスだって!」 『うっそまじで!?やったね!!』 麻梨紗ちゃんと同じクラスなんて…。 神様ありがとう…! ………………… 栗木田らぁのクラスに着いた。 クラスに足を踏み入れると、わっと栗木田の周りに人、人、人。 「見とったでぇさっきの!!」 「あの教員共のアホ面拝ましてもろたわ―、おおきに!」 「自分おもろいなあ!名前何て言うん?」 ちょっと、タンマタンマ!! やめて栗木田こういうの慣れてないの! 転校とか初めてだしもう恥ずかしかったしで頭がドゥ・パーン!!なの!! 『栗木田?栗木田はなぁ、栗木田って言うんよ―』 「それ苗字やん!!」 「名前名前!」 『栗木田下の名前言うの苦手なんよ―。 あ、杏子言います。仲良くしてやってなあ―』 「杏子やな!覚えたで!」 「でも自分見た事ない顔やなあ、どこ中?」 『栗木田、ここ出身じゃねぇんよ。岡山なん』 「岡山ぁ?岡山ってどこや」 『ググれ。まあ、田舎じゃな』 「ほぉ―ん、そんなとこにこんなオモロいヤツおったんやなあ」 『お世話をありがとうウヘヘ』 「ウヘヘとかキモいわ!!」 どっと笑いが起きておばあちゃん一安心。 後から栗木田が結構地味なヤツなんばれるかもしれんけど、出だしは好調じゃねぇんかな。 がらりと前のドアが開き、うちの担任っぽい教員が入って来た。 皆一斉に席に着く。 栗木田と麻梨紗ちゃんは席を確認しとらんかったから、焦ったけど心優しいクラスメートが席を教えてくれた。 栗木田は真ん中二番目で、麻梨紗ちゃんは右端の一番前。 近くて本間ラッキーじゃ。ラッキー栗木田、なんつって! 嗚呼、お礼を言わんとな。 ありがとう名もなきモブよ。 …あれ、栗木田の隣おらんがん。 席に着いた後、先生が出席を確認する。 「――…、遠山―。 ………遠山?何や、アイツ初っ端から遅刻かいな」 その遠山とは栗木田の隣人さんか。 初っ端から遅刻とかどんな漫画のキャラじゃろうか。 まあ、そんなキャラもおった方が楽しいじゃろ。 「遠山はおらんな―?よっしゃ遅刻つけたろ」 よっしゃとか言っちゃおえんじゃろ、そう心の中でツッコんだ時、ドアが開いた。真ん前のドア。 「先生ちょお待ってぇな!!」 あら良い声。 とか思ったら栗木田さんの苦手な不良さんじゃないか。 あ、でも赤髪萌え。そして良い体をお持ちのようで。 「遠山―遅いでぇ。あそこの席や、はよ座り」 先生が指したのは栗木田の隣の開いとる席…、やっぱ此処なんか! 何話そう何話そう、そう考えとったら栗木田の隣から声が聞こえた。 「ワイ遠山金太郎言いますねん!よろしゅうよろしゅう!」 ………あら可愛い。 『栗木田は栗木田杏子って言います! 隣人さんよな?良かったら仲よぉしたってなあ!!』 「おん!」 ……………… 「杏子ちゃん凄いなあ!」 『…何が?』 「遠山金太郎ゆうたら有名人じゃもん!」 『あ、そうなんじゃ』 「中一ン時からテニス部のレギュラーでな、中一ン時は可愛い可愛い言われとったんじゃけど、中三になったらあの白石先輩を凌ぐ様なイケメンになったんよ!」 『へぇ―、凄いんじゃなあ』 こんな気の無い返事でごめんなさいじゃけど、栗木田は本間にこういう話題には興味ねかった。 ジャニーズとかもハマった事ねぇしな。 「あ―!!高校でもまた中学テニス部のメンツ揃って本間最高!! 明日写真持ってきたげるわ!」 『それはありがとう』 正直な話、遠山の中一写真は期待してたりする。 (ファンクラブ限定の写真も持って来てあげるなあ!) (は!?ファンクラブ!?) ・じゃねぇんかな=じゃないのかな やっと金ちゃん出てきました…!! まだまだ初歩の段階なので、白石とかが出るのはまだ先ですかね。 やっぱりギャグ書くの本当に楽しいです(^O^)!! 好評だと良いな―。 2011.7/9 ← → [戻る] |