早まるな
「…なあ神さま……さっきからアイツ、何言ってんだ?」
地球の神とガーリックJr.の一対一の会話が続いていた事により、しばらくの間影の薄い存在になっていた孫悟空。
先程からお互いの会話にズレが生じ始めている事に、彼も気が付いていたようだ。
地球の神の隣に近寄るなり、コソコソと話し始めた。
「これから全てが明らかとなろう。但し……」
だが、地球の神はその答えを明かす事はせず、途中で口を閉ざした。
まだ話に続きがあるようだ。
「…ガーリックの野望を止める事が出来ればだが……」
そう言うなり、ギュッと杖を握りしめる。
「ああ!オラ、初めっからそのつもりだ。アイツら倒して、悟飯を返ぇして貰う!」
「ま、待て!早まってはならん!」
悟空がやってやろうと言わんばかりに構えだした途端、地球の神は彼の前に立ちはだかった。
「なんだよ神さま!邪魔すんなよ!」
両手を大きく横に広げ、それ以上先へ進ませないよう阻止する地球の神に、悟空はムスッとした表情を浮かべる。
「おぬしは知らんだろうが、ヤツは不死身だ。神龍によって、永遠の命を手に入れてしまった……」
「な、何だって?神さま、さっきから気になってたんだけどよ、アイツと知り合いなんか?」
地球の神の後ろを覗き込むようにして、ガーリックJr.を見やる悟空。
すると、地球の神は広げていた両手を元に戻し、困ったように溜め息をついた。
「…知り合いなどという軽いものではない。我々は長きに亘(わた)る強い因縁に縛られておるのだ。だが、今目の前に居るヤツではなく、その父親とだがな……」
「…へ?どういう事だ?オラ、よく分かんねえぞ……」
全く理解出来ず、頭を掻いている悟空に対し、地球の神はガーリックとの関係を詳しく話し始めた。
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