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執事雲雀(完)
お友達!2


キキィッ

校門前に停まる黒のリムジン。
よし、予定どおりお嬢の出てくる5分前に到着。


彼女が来るまでの、もどかしくて楽しみな時間。


お嬢が帰ってきたら何を話してやろう?

僕がつくったミルフィーユ?
部屋に隠してた秘密の日記?
それともディナーのメニューから?



そんな事を考えていたら、ガチャっとドアが開いた。

「おかえり、お…「おや、こんにちは。素敵なドライバーさんですね」


「……」




「あはは、そうかなぁ」












デジャブだ…………

この前の事件が、デジャブした。



あの最悪な女友達が遊びに来たときのことを…。




あわててバックミラーを確認すると、そこにいたのは間違いなく男だった。

男、しかも一人だけ。




お嬢の、友達?
この男が?




「えーと、こちら六道骸くん!遊びに来てもらうの」

心なしかいつもより嬉しそうなお嬢に、モヤモヤとした何かが広がっていく。





唖然としていた僕は、ミラー越しに六道骸と目が合った。



それがまるで、何を今さら焦っているんだ、とでも言いたげな表情だったものだから、




「クフフ、よろしくお願いしますね」


「…変な笑い方。」

「クフッ!?」


ついつい大人げなくなってしまった。



「こら雲雀、お客さんになんてこというのっ」




当然お嬢には怒られたけど、そんなの気にできないくらい僕は焦っていたんだと思う。





だって六道の、

お嬢を見る目はどう考えても……






恋しちゃってる目なんだから。











「クフフ…田中さん、実は僕ケーキを焼いたんです」

「えっ、ほんと!」

「はい、もちろん田中さんのため「ケーキならこちらをどうぞ」


「……」




「うーん、そうだね、どっちも食べよう!」








六道も相当手強い。

お嬢の好みをちゃんと調べていたようだ。


でも、お嬢と一緒にいる時間は、僕の方が格段に多いからね。








ただ、

「ちとせさん、これ海外のお土産です」

「わぁありがとう!」


「ちとせさん、今度ふたりで何処か行きません?」

「わぁ、いいね!」







先ほどからお嬢の呼び方が変わっているのが気に食わない。

来たときは田中さん、だったのが今ではちとせさん、になっている。



咬み殺していい…?

何だか、お嬢を盗られてしまいそうでとても不安だ。







だからいつもなら、考えられないようなセリフをペラペラと……


「ちとせ、お茶のおかわり入れようか?」

口走ってしまっていた。


「あ、うん!ありがとう」


「……」

六道はつまらなさそうな目でこちらを見ていたけど、僕としてはすごく気分がよかった。





さりげなく所有権を主張したかったんだ。

でもお嬢のことを名前で、しかも呼び捨てで呼んでしまったけど………









六道が帰ったあと、


「名前で呼んでくれて、ちょっと嬉しかったよっ」

お嬢からちゅうしてもらえたし、結果的に良かったと思う。


これからはもうちょっと素直に、名前で呼んでみようかな…?




continue…と、おまけ

とうとう名前で呼びました雲雀!
ぃやー、難しいですねぇ小説って……。

なんかもぅ泣きそうになりました(T_T)

頑張って日々精進していかねばー(ノд<。)゜。

ではではおまけ!







「クフフ……雲雀恭弥、ですか…」

六道はちとせの屋敷から帰宅したあと、一枚の写真を眺めていた。





「いいんでしょうかねぇ?執事とお嬢様が、こんな関係なんて…」






その写真には紛れもなく、

お嬢を見つめる雲雀が、







恋しちゃってる目をして収められていた。




「お邪魔しちゃっても、構いませんよね?羊さん…」

continue…

隠し撮りムックー!
最後には羊さんとか言いだしちゃいましたね(笑)

ではまた次回!

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