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帝白物語 第1章
confront3




「私部屋に…」

「しばらくお話しましょーよ。」

赤也が引っ張った事によってまた部屋に引き戻される。


「えっ…。」

「やっぱりアンタ美人ってか…可愛いね。」

「…はいっ!?…お世辞なら止めてよね。」



前の学校でもそんな事言われてかなりからかわれましたよ。



もちろん…玲也にもね…。



『お前顔可愛いのにひねくれてんだもんな。』



玲也の馬鹿…。



頭に一瞬でも走った記憶は私に苦しみを与える。


それでも私は笑っていなきゃならない。



「太陽…?」


精市がベッドから下りて私の元へとやってきた。

その姿が見えた私はすぐに顔を上げて精市をみる。


「大丈夫?」

「何が?ちょっとびっくりしただけだから」

「赤也。」

精市に睨まれた切原くんはまさに『蛇に睨まれた蛙』の様に固まってしまった。


別にそこまでしなくても…。

というか、さすが幸村精市だよ。



「すんません。…ってか本当の事しか言ってないのに…」


赤也の呟きは太陽に聞こえている訳もなくしれっと流された。


「でも本当に可愛いと思う!俺丸井ブン太!シクよろ!」



「…まぁ、よろしく」

太陽は立海の皆にとりあえず作り笑顔だけれど笑って見せた。


太陽の笑顔を見て一瞬止まった立海メンバーの空気を読んで太陽は全速力で部屋から飛び出し逃げていった。



その速さはそりゃあもう光の如く。



「太陽…逃げたね。」

幸村の一声にようやくハッとした皆は何なんだったのだろうともう既にいない太陽のいた場所をただ見ている。



「あの女は何なんだ、幸村。」

「真田が、聞くのか。…あの子はただの暇友だよ。」


「「「「ひ…ひまとも!?」」」」


幸村の略語に驚く皆方々。


「暇な時に話そう、っていう友達だよ。そんな驚かなくても…」


「すまん。じゃあ何で赤也は知り合いなんじゃ?」

「仁王先輩鋭いっすね!」

「そりゃあ、あんな可愛い女の子放っておく訳ないぜよ。」

「そういう事ッスか。……まぁ前に青学に間違えて行った後に柿ノ木中までのバスを教えてもらっただけっす。」

「大体お前自体がたるんどる」


真田の指摘にアハハ〜と笑っていつもの様にごまかす赤也にはまだまだ太陽の事に関する質問は終わらない。


※今からは名前の一部を「」の前に付けさせて頂きます。



幸「それで…?太陽はそれだけじゃないでしょ?俺の事を見ただけで名前、分かったみたいだし。」


丸「まじぃ?俺もあのコの事なら聞きてぇな。」



蓮「……」

比「まぁ確かに容姿は可愛いらしい方でしたしね。」

仁「あれだけ可愛いのも珍しいぜよ」


立海メンバーに太陽のは好感を持たれていた。


というか…幸村の出した話は綺麗に流されていた。


赤「もう本人に会いに行けば早いんじゃないっスか?」

幸「…はぁ。」

赤「俺も賛成ー!」

ジ「いや、それは迷惑じゃ…」

「「決定ー!!」」


ジャッカルの唯一太陽を庇う発言もまた綺麗に無視されて結局は太陽の部屋へと行く事になった。


元は幸村のお見舞いのつもりが太陽の質問タイムに変わったのだった。



















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