彼と彼女のファンタジーな展開(雲雀) 某日明朝。 「にゃーぁご」 ……あれ、おかしいな。 「に゛…に゛ゃぁー」 ………。 何これ、なんで猫みたいにしか鳴けないの。 これじゃあなまえを呼べないじゃない。 「に゛ー……(困ったなぁ)」 彼が猫になっちゃった! ―――――――――…… 「ん゛――… 朝からにゃーにゃー五月蝿いなぁ…って、どっから入り込んだんだ!?」 目の前には何故か黒猫のドアップ。 びっくりし過ぎて、初めて目覚ましが3回鳴る前に起きたよ。 ……はいそこ、1回で起きろよとか言わない――。 「てか、マイダーリンどこ」 昨日家に泊まったはずだけど。 「に゛ゃぁあ!」 なんか猫に怒られた気がする。 あぁ、早く探せって?(違う) もうマイダーリンはいつもマイペースなんだからっ。 なまえは“大方、あの学校大好き坊やは先に行ったんだろう”と勝手に決めつけて。 のんびりと用意をした。 ずっと足元にいた黒猫チャンが、制服に着替える時に心なしか離れていた気がするが、きっと猫にも恥じらいはあったってことで。 「……よっし、じゃあ今日もひばりんとラブラブしますかぁ!いってきまーすっ」 「…に゛―」 ―――――――――…… バァンッ 「ぅおっはようマイダーリン!………ってあららー?」 勢いよく応接室の扉を開けたものの、部屋はもぬけの殻。 「なまえさん!」 「あ、草壁さんー」 「恭さん知りませんか?」 「え?私はてっきりもう来てると思ったんだけどな…」 そう首を傾げながら言うと、草壁さんはまた何処かへ去っていった。 「にゃーご」 「あっれー?お前ついてきたの?」 「……」 うわー無視すか。 いや、別に猫に返事なんて期待してないけどね? 猫と会話するような危ない子じゃないから、私。 これ結構重要。 「屋上かなぁ」 ひばりんがいそうなところなんて範囲が広すぎて分かんないけど。 あ、私が行きたかっただけなのかも。 ――――――――――…… ガチャ 「おーっ快晴!」 屋上の錆びついた扉を開ければ、目の前に広がる並盛と真っ青な空。 汚い校舎なんて忘れる。(ひばりんに言ったら咬み殺し決定) 「…あれーやっぱいないや」 くるっと見回したが、それらしき影はなく。 少しばかり居るんじゃないか、と期待していた私はちょっとブルー。 「もー…疲れた」 ガシャン、とフェンスにもたれてぼーっと空を見上げる。 「に゛ーぁ」 「ん?あぁ黒子」 「……(ネーミングセンス無さすぎでしょ、しかもメスじゃないし)」 「ひばりん何処にいるか知らないー?……ってお前に聞いてもしょうがないよねぇ」 と、苦笑するなまえ。 「もーホント、いつもマイペースだし気付いたら居ないし」 「……」 「すぐ人に突っ掛かるし」 「に゛ー…(うるさいな)」 「でも」 「?」 「大好きなんだよねー」 そう、苦笑しつつ言った。 「………っ」 「もー…ほんと、どこ行ったの」 「み゛ぁー」 「このまま、あえないのかな…なんて、 」 「に゛――」 「はやく…早く、あいたいよ恭弥…きょーや……」 ボフンッ その途端、視界が白に覆われた。 だんだん晴れていくその煙の向こうには、見慣れたシルエットが。 「やぁ」 「へ、」 え、何?なんでひばりん…雲雀サンが? てか黒子は? 「大胆な告白どうも」 「……えぇぇええ!?」 「でもさ、なまえ。ネーミングセンスは直しなよ」 すいませんね、…いやいやいや問題違くて。 てか近い。近いでっす雲雀サマ。 「ちょっと、なんで顔逸らすの」 「……。 ていうか、ひばりん……恭弥=黒子?」 「無視とはいい度胸だね。 それに、そんなことも分からないの?」 そう言う雲雀さんはちょっぴり不機嫌そう。 「まぁでも、」 チュッ 「――――!?」 「なまえの告白も聞けたし、よしとするよ」 そう言う雲雀さんはちょっぴりご機嫌で。 ちょ、ほんとまじで、不意討ちとか無しです! ほら私の顔真っ赤ですよ? …でも、 「雲雀さんからのキス貰えたからよしとしますっ」 「何それ」 End. ・・・・・・・・・・・・・・・ うわ、意味不明← 確かに恋だった 様よりお題でした。 ←→ [戻る] |