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過去拍手1

「そういえばさ、今日ってハロウィンだよね」


唐突にツナが口を開いた。

確かに今日は10月31日。
世間では子供たちは仮装して、お菓子でも貰うのだろう。


「あ、10代目仮装します?(笑)」
「…うーん、」

「あれっ、マジでやるつもりか?」

極寺と山本の冗談腰な言葉に、曖昧に返す。


「その……、皆でハロウィンパーティーとか…やりたいな、って…」

「おっそれいいな!
んじゃあ早く帰って――…」

「それは聞けねーな」


ツナの意見に二人が乗り気になったところ、窓から幼い声がした。


「「「リボーン!」」」

「ちゃおっス」


窓からどうやってなどという愚問を省き、そこに在る姿は紛れもなくツナの“家庭教師”であるリボーンだった。





カボチャを被った。





「…って、リボーン仮装してるじゃんー!?」

「うるさいぞ、ツナ。
今日はハロウィンなんだから当たり前だろ」

「じゃあ、なんでさっきダメみたいなこと言ったんだよ!?」

「オレの気分だ。
極寺も山本も早く帰れ。ハル達が来てるからな」


リボーンはツナをばっさり切り捨て、そのまま窓から消えていった。


「だそうですよ、10代目?」

「…とりあえず帰ろうか」

「何の仮装すっかなー」



――――――……


「わー、京子ちゃんは魔女さんですかっ」

「うん。
ハルちゃんは…えーと、オバケ?」

「はいですっ!
真っ白なオバケさんですよー」

「……。
ビアンキさんはバニーガールですね」

「ええ。
二人共よく似合ってるわ」

「ありがとうございます!
あ、ツナさん達も着替えたみたいです」

「10代目ぇー!
よく似合ってますよ!」

「そ、そうかな…。
極寺くんこそ似合ってるよ、狼男」

「そうですか!?
あ、あの野球馬鹿は吸血鬼みたいですね」

「ははっ
似合うか?」

「全然」

「はははっ
だろーなっ!」


あれから数十分後、ツナの家中が仮装大会になっていた。



「クフフ…
何やら楽しそうですね」

「……ボス」


と、そこに珍しい客人が。



「骸にクローム!?」

「六道骸…っ
何しに来やがった!」

「たまたま通りがかったら楽しげな声が聞こえたから寄っただけですよ」

「君、また僕に咬み殺されに来たの?」

「クハハハ!
雲雀恭弥、何ですかその格好は?」

「…?」


雲雀の頭には、さっきまで寝ていた時にこっそり着けた猫耳が乗っていた。



「…っむ、骸さん達もどうかな、仮装!?」

「カソウ…?」

「今日はハロウィンだよ?」

「そうでしたか…。
しかし残念ながら僕には仕事がありますからね、失礼させてもらいますよ」

「えっ……」

「言ったでしょう、通りがかっただけだと。
あ、クロームは参加しても良いですよ」

「でも骸様……っ」

「クフフ…楽しんでいて下さいね、クローム?」



そう言うなり骸は何処かへ去ってしまった。
後に残されたクロームはただただ、ハル達に良いように着替えさせられていた。




「見てくださいツナさんっ」
「え、クローム!?」

「ボス……似合う…?」

「う、うんっ」


クロームが着ていたのは、何やら色々際どいチャイナドレス。
髪も、いつもとは違って2つに結ってある。



「ふん、馬子にも衣装って奴か」

「おー可愛いな!」





メンバーはなんだか足らないものの、その後たまたまケーキを片手に帰ってきたツナの母からそれを皆で食べ、いつも通り仲良く戯れた。


そう、いつも通り。


ツナ達は、マフィアである前に青春を送る学生なのだ。
何より平穏でいつも通りの日。


たまたま風紀委員会が休みで
たまたまハル達がビアンキと鉢合わせして
たまたま全日の大雨のせいで野球部が無くて。




それは、戦いという言葉を忘れることの出来た、とある町のとある仲間達の1日だった。


fin.



 

――――――――…


10月だからハロウィンネタ。
はい、ありがちw
でも気にしない←

実はツナの仮装は書いていませんでした。
そこは読者様のご妄そu…失礼、ご想像にお任せするとして。


骸さんに吸血鬼やってほしかったななんてげふんげふん。←

09,10


  



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あきゅろす。
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