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93゚
(05)

 
「…ったく、いちいちお前は余計な事を」
 
困ったように髪を掻き上げる幸慈
 
その仕草にドキッとしながら、箸を取り上げ残っているご飯を食べる
 
「んーご馳走様!!…これ誰が作ったの?」
 
來人さんに尋ねると『雅之』さんらしい
 
あとで教えて貰おうかなぁ…
 
なんて思いながら食べたものを片付けようとすると、來人さんに止められる
 
「これくらい出来るよ?」
 
「いえ、やらせてください」
 
來人さんの視線の先には、來人さんを睨み付けている幸慈
 
イライラ…
 
「だぁ!!なんなんだよっ!!…こーじはアレですか!?"私の子供にはなにもさせたくないの"ってゆうどっかの奥様ですか!?」
 
幸慈を睨みながらそういうと目を点にする
 
シーンと静まりかえったと思うと、一瞬にして笑い声が聞こえる
 
幸慈も暫くして笑いだした
 
「馬鹿…ちげぇよ。お前は俺のモンだろ。」
 
「えっ…うん///」
 
「だから、ここにいろ」
 
そう言って自分の足を叩く
 
來人さんに少し頭を下げ、幸慈の胡座をしている足の上に座る
 
 
暫くして太陽も高くなり、周りの人達は笑い、穏やかな時を過ごした
 
「ねみぃか?」
 
「へー…き」
 
重くなる瞼を擦り目を覚まそうとする
 
擦る手を捕られ頭を撫でられる
 
「寝てろ」
 
「……うん」
 

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