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(06) -Side志紅-
あの日…遙さんに嫌いと言ってから何週間か経った
詩遠が目を覚まして嬉しいはずなのに心の中はモヤモヤで…
遙さんに、謝りたいな
そう思うも行動に移すことの出来ない自分に腹がたつ
「遙さん…」
独り言のように呟くと、隣にコトッと物を置く音が聞こえた
「お爺ちゃん…」
「自分の気持ちに素直になりなさい。後悔はしないように。」
そう微笑みながら言って、どっかに行ってしまった
素直…にか。
もともと俺は内気で弱気…そんな俺に気持ちを伝える事なんて出来るのだろうか
ふと叔父が置いていったものをみてみると、そこには花瓶に綺麗に飾られた
『カランコエ』
があった
カランコエの花言葉は『幸福を告げる』
…お爺ちゃん、応援してくれてるんだ
祖父のためにも頑張ろうと思い、出掛ける用意をする
遙さんの好きそうな洋服を選んで玄関へ急ぐ
「ちょっと出掛けてくるねっ!!……いってきまーす」
自転車に鍵をかけ走り出す
…だが、すぐ走って思いついた
「遙さん、どこにいるんだろう」
そう思いながらも適当に行けば会えるだろうと思い、走り出した
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