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(03)
そして、幸慈に抱っこされて数分…まだ俺は幸慈に抱かれています
いや、実際には幸慈の胡座の上に座ってるだけなんだけど
目の前には豪華な食事
食べたいけど……食べにくい
だってさ、周りに厳ついけど美人な人達がこっちを見ているんだよ
食べにくいじゃん
「すいません。遅れました。お呼びでしょうか?」
空腹と闘っていると上の方から、優しそうで穏やかな声が聞こえた
顔を上げると俺よりは大人だけど、幸慈よりは幼く綺麗な顔をしていた
……この顔、どっかで見たことあるような
んー…と、あー…と
「あぁ。これからコイツ、本家に居座るから世話してやれ」
「はい。初めまして、來人と申します」
爽やか笑顔で挨拶してくれるのは、來人さんと言うらしい
俺の世話って言ったよな…?
ん…?
「え、えぇぇ!?…世話ぁあぁぁ!?」
「えぇ。貴方の世話をさせて頂きます」
貴方…うぎゃぁぁ!!
すげぇ鳥肌が…
あ、そりゃそうか
名前知らねぇもんな
「あ、俺詩遠って言います」
「詩遠様…で「様は止めて下さいっ!!せめて、君とか…出来れば呼び捨てが良いけど」
來人さんは幸慈をチラッとチラ見した後、溜め息をついて俺に向き合う
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