93゚ (03) そして、幸慈に抱っこされて数分…まだ俺は幸慈に抱かれています いや、実際には幸慈の胡座の上に座ってるだけなんだけど 目の前には豪華な食事 食べたいけど……食べにくい だってさ、周りに厳ついけど美人な人達がこっちを見ているんだよ 食べにくいじゃん 「すいません。遅れました。お呼びでしょうか?」 空腹と闘っていると上の方から、優しそうで穏やかな声が聞こえた 顔を上げると俺よりは大人だけど、幸慈よりは幼く綺麗な顔をしていた ……この顔、どっかで見たことあるような んー…と、あー…と 「あぁ。これからコイツ、本家に居座るから世話してやれ」 「はい。初めまして、來人と申します」 爽やか笑顔で挨拶してくれるのは、來人さんと言うらしい 俺の世話って言ったよな…? ん…? 「え、えぇぇ!?…世話ぁあぁぁ!?」 「えぇ。貴方の世話をさせて頂きます」 貴方…うぎゃぁぁ!! すげぇ鳥肌が… あ、そりゃそうか 名前知らねぇもんな 「あ、俺詩遠って言います」 「詩遠様…で「様は止めて下さいっ!!せめて、君とか…出来れば呼び捨てが良いけど」 來人さんは幸慈をチラッとチラ見した後、溜め息をついて俺に向き合う [←][→] [戻る] |