Subsequent Descent
7
慶喜が動き出そうかと思った時には、潤弥は彼の方へと向かって来ていた。
慌ててグローブから炎を噴射して読んで字の如く飛びのく。
彼の後ろに降り立ってグローブを振り抜いたが、潤弥はすぐに避けた。
「遅いよ」
「っ!」
その声が耳に届いたと思うと直後に腹を蹴られて、慶喜は少し飛ばされる。
尻餅をついてしまったがすぐに手をついて飛び起きた。
炎の推進力を使っているにも関わらずついてくる相手に、慶喜は慌てる。
「先輩、今本気ですか?」
「全然」
彼が尋ねれば、潤弥は即答して駆けた。
慶喜は慌てて炎を噴射して飛び上がる。
潤弥の方を見れば、愉快そうに笑っていた。
「――ようやく面白くなってきた」
これでまだ本気ではないと考えた慶喜は、思わず恐怖した。
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