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Subsequent Descent
8
 ふとそんな事を考えていたが、慶喜は慌てて振り払う。
ちょうどその時、潤弥が突然ポケットに手を突っ込んで何かをいくつか取り出した。
トゲの付いた丸い物だが、正体が全くわからない。
警戒した彼が構えると、潤弥はリングに炎を灯した。

「――僕も本気を出すとするよ」

そんな声が聞こえた直後、炎の量が尋常ではないほどに増える。
トゲだらけの何かがそれを吸ってさらに増殖し始めた。
その1つから聞こえた鳴き声で、慶喜はふと思い出す。

「――あ、雲ハリネズミ!」
「遅いよ」

その声は上から聞こえた。
慶喜が慌てて見上げると、雲ハリネズミを足場にして立っている潤弥が目に入る。
彼はトンファーに炎を灯すと落ちてきた。
そのままの勢いで振るってきたので、グローブでいなそうと思った慶喜は左手の甲をトンファーに当てる。

その時、攻撃をいなせはしたが、嫌な音がした。

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