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Vongole Company
068残酷な言葉
「なっ、ななっ、ランボ…??!」



ランボを指差しながら口をパクパクさせる私。

背後には牛さん。

一方のランボも目を丸くして私に近付いてくる。



「…やはり悠南?

なぜこんなところに?」



いや、それこっちの台詞!!



私がまじまじとランボを見ていると、ランボは得意げにクルリとその場で回る。



え、何やってんの、この人。



「嗚呼、似合いますか?

やはり俺は牛柄の男ですからね」



「いや、誰もそんなこと言ってません」



フッとため息をつくランボ。

自己陶酔も大概にしろよ、コノヤローと思いつつ、私は牛舎の外へ出る。

ランボも後ろについて来た。

二人草の上に座る。

私は隣でいまだ自己陶酔するランボに話し掛けた。



「ランボ、学校は?」



「ここにいるってことは…

貴女も行ってないんですね」



「うっ…」



なんだ、そのお前もサボりか、みたいな言い方!

言っておくけれども、私は軽く監禁されて…!!



ランボは私を横目で見ながら言葉を続ける。



「俺も先週から学校行ってないんですよ」



「…え?」



先週って私が学校休学になったのと同じくらいから?



素朴な疑問をランボにぶつける。



「なんで?」



「伯父の手伝いです」



父方の兄がここの牧場経営してまして、とランボは付け足す。



「へぇ…!!」



さっきのショマールさん、という人だろうか。

それにしてもランボ…



「牛柄似合うよね」



「ですよね」



自分で認めたことは置いといて。

なんでランボは牛柄がここまで合うのだろう。

普通、牛柄なんて着てる高校生…

ドン引きなんだけれども。

でもランボは不思議なくらいに着こなしている。



これはやっぱり…



「…顔が牛に似てるからだね」



「…?!!」



私の何気ない呟きに目を見開くランボ。

そしてスローモーションのように倒れ込んでいく。



「え?!

ちょっと、ランボ?!」



隣に倒れ込んだランボを慌てて揺する。

しかしランボは



「…ガ・マ・ン!!」



と呟き顔を手で覆うまま。



いきなりどうしたんだ…?!

あ、もしかしてホームシック…?!



あきらめずにランボを揺すっていると、暗い影がランボの上と重なる。



「今のは悠南がわりぃぞ」



「リボーンさん…!!」



逆光で顔がよく見えないものの、間違いなくリボーンさん。

なぜか大笑いしている。

わ、私、何かした…?!



「ランボのやつ、牛柄は好きだが自分が牛なんて言われるのは嫌だろうな」



「……あ。」



そうだ、私…

ランボを牛に似てるって言ったね、うん

たしかに牛なんて言われるのは……



「ごめん、ランボ」



ランボに対する配慮が無かった。

シュンとして謝ると、ランボは手を退かせ、目を覗かせた。



「分かればいいんですよ、悠南さ…「まあ俺もランボは牛そっくりだと思うけどな」……ガ・マ・ン!」



「なんてこと言うんですか!」



せっかくランボが元気になりかけたのに、リボーンさんが水を差す。

その言葉にまたランボは顔を覆い泣きはじめた。

リボーンさんはランボを見下ろし、



「グダグダ泣く男だな」



と言い捨て、クルリと背を向けた。



「用事は済んだ。

帰るぞ」



「ちょ、えぇ??!」



泣くランボを残しつつ、颯爽と歩いていくリボーンさん。

私は慌てて立ち上がり、リボーンの後を追う。



ごめん、ランボ…!!

今度会ったら牛柄については言わないから許して…!!

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あきゅろす。
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