Vongole Company
067牛さんと男
ファミレスからさらに車で30分の牧場。
青い空。
立ち並ぶ牛舎。
聞こえるのは牛の鳴き声。
そして…
「…いつ来てもくせぇ」
「そういうこと言わないでください」
牛糞のお世辞でも良いとは言えない香り。
あ、本音は臭いです、うん
でも言っちゃ駄目だろう…!!
私とリボーンさんがとりあえず突っ立っていると、牛舎の中から人が出てくる。
いかにも牧場の…ね、うん
軍手に藁をたくさん付けている。
リボーンさんはお得意の営業スマイルで、牧場のおじさんに近付いていく。
「久しぶりです、ショマールさん。
今日は牛肉の部位の相談で…」
「あぁ、はいはい、分かっておりますよ…」
営業スマイル、しかも敬語。
なぜか恐ろしく怖いです、リボーンさん…!!
仕事の話をしながら母屋のような場所に入っていく二人。
え、私一人…?!
とか思ってもしょうがないわけで。
とりあえず緑の草の上に座って空を見上げる。
嗚呼、広い空
鼻を通る草の匂いが爽やか
………なんだけれども。
飽 き る ! !
これでいつ終わるか分からない商談を待つのは無理です、リボーンさん…!!
私は体についた葉っぱを払いながら立ち上がる。
そして興味本位で牛舎を覗いてみた。
「本物の牛だ…!!」
一部屋ごと軽く木の柵で区切られた部屋。
その部屋の中には牛が…!!
牛がいっぱいです、皆さん…!!
部屋の柵から顔を出し、藁を食べる牛。
私は無駄なチャレンジ精神を発揮し、藁を持ってみる。
人生何事も経験…!!
「ん?悠南?」
「あっ、食べた………は?」
私が手に持った藁を食べた牛に感動していると、背後から声がする。
微妙に聞いたことがあるような、
けれども毎日は聞いていない声。
振り返れば牛柄のオーバーオールを着た…
「ランボ!!」
な、なんでこんなとこにいるんだ、この人…!!
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