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Vongole Company
104怖じけづく鮫
「で、なんだぁ…

お前らはどうしたいんだぁ…」

「だから悠南が帰るまで一緒に住むって言ってるじゃない」



机を挟み、ヴァリアー側とボンゴレ女性陣は睨み合う。

というより主にスクアーロさんとビアンキさんが、って感じだけれども。

そしてなぜかフランくんは

「ミーは女性も大事にするんですー」

と言ってボンゴレ女性陣側に座っていた。

私は一人でどちらとも言えない机の端から見守る。



聞いていればビアンキさんたちは

「ツナが悠南を勝手に退学させて使用人したって聞いたのよ、女としてツナの行動は許せないわ」

という決断で来たらしい。

でも、ちょっと待って。



「ボンゴレの幹部さんたちはこのこと…「知らないよ」…は?」



私の呟きに京子さんは苦笑しながら答える。

ほんとはね、と京子さんは続けた。



「ほんとはね…一人くらいには教えようと思ったんだけど、ビアンキさんが…」



そこでチラリとビアンキさんを見た京子さん。

私もつられて見ると、ビアンキさんは身を乗り出す勢いでスクアーロさんにまくし立てている。



「なんで男が女の将来なんて決めるのよ?!

おかしいじゃない!」

「ゔぉおい…」



ビアンキさんの勢いにスクアーロさんは見事に静められ。

ベルさんはスクアーロさんの隣で珍しく顔を引き攣らせ、スクアーロさんに呟く。



「おい、隊長!

さっさとこいつら住まわせちゃえよ!」

「そんな簡単に言うなぁ…

俺が悠南の一泊申請の話するまでにクソボスに何回花瓶投げられたか知ってるのかぁ!!

アンパン●ンの放送時間分数より多かったぞぉ!」

「いや、そういうの王子興味ねぇし。

さっさとこいつら住まわせ…………」



コソコソと呟くスクアーロさんとベルさん。

残念ながらスクアーロさんの大声で会話はほぼ筒抜けなんだけれども。



バンッ!



二人の会話を見ていたビアンキさんが机を思い切り叩く。

シーン…と誰もがビアンキさんの顔を見た。

机に手を置いたまま、ビアンキさんは口を開く。



「置いてくれるわよね?」

「ゔぉおい…」



どうやらスクアーロさんの「ゔぉおい…」は肯定な模様で。

スクアーロさんが力抜けて返事をした後、フランくんがスッと立ち上がった。


「じゃあ荷物置きに行きましょうかー」



お前、どこのホテルマンだよ…!!

というくらい見事な誘導。

嬉々とした女性陣は玄関と同様、嵐のように広間から出ていった。



「ゔぉおい、誰がクソボスに報告行くんだぁ…」



ぐったりと疲れたように椅子にもたれるスクアーロさん。

いや、実際疲れたろうけどね…!!



「女が五人増えたなんて言ったらあのクソボス…

何も使わずに屋敷ごと灰にするぞぉ!!!」

「は?!」



いやいやスクアーロさん。

最近映画の見すぎですか、そうですか。

人間はね、屋敷を道具無しで灰にはできないんだよ…!!



今日も俺の髪は花瓶の水だらけになるのかぁ…

一人うなだれるスクアーロさんを見かねて、私はスクアーロさんに近付いた。



「私もザンザスさんに報告一緒に行きますよ、スクアーロさん」



うん、火種私だしね…!!

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あきゅろす。
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