Vongole Company
103毒サソリ
「ままま…守るってハルさんたち…
え?」
私は思わずぺたんと尻餅をつく。
まさかビックリして尻餅をつくことが本当にあるなんてね…!!
現れたのはハルさん、京子さん、ビアンキさん、クロームさん…
そしてイーピンちゃんまで。
つまりはボンゴレ本部の女性陣全員がこちらに来たわけだ。
ハルさんたちは何食わぬ顔で自分の荷物を持ち「失礼します」と入ってくる。
いや、それは構わない、構わないんだけれども…!!
「な、何泊の御予定で…?」
そう、何泊なのかと聞きたくなるほどの荷物。
一人一週間分はあるんじゃないだろうか。
私の問いに京子さんは笑顔で答えた。
「え?
悠南ちゃんがここにずっと居るならずっと暮らすつもりだよ?」
「嘘ーん?!」
爆 弾 発 言 したよ、京子さん…!!
暮らすって、暮らすってちょっと…!!
私が座り込んだままガクガクやっていると、奥の廊下から誰か人影が。
そして階段の上からもドタバタと音がする。
「悠南センパイ、さっきからうるさいんですけど……って誰ですかー?」
廊下から歩いてきたのはフランくん。
私を呆れた目で見ると、ハルさんたちに目を移しさらに不審そうな目で見た。
「ゔぉおい、何事だぁ?!」
「…シシッ、女増えてね?」
「増えてるよ」
さらに階段上から三人。
スクアーロさん…いたんだ。
「おはようございます」
「おぅ、おは……ってそれどころじゃねぇだろぉ!!!!」
私がわけも分からずに挨拶をすればスクアーロさんはノリツッコミをする。
そしてギロリとハルさんたちを睨んだ。
「なんだぁ…
沢田綱吉の差し金かぁ?」
ハルさんたちはヒッとスクアーロさんの睨みに逃げるも、ビアンキさんは腕組みをして仁王立ち。
そして負けんばかりの迫力でスクアーロさんを睨み返す。
つ、強いな、ビアンキさん…!!
「差し金?
違うわ、むしろツナには失望したからここに来たんじゃない」
「「は?」」
思わずスクアーロさんと声が重なる。
つ、綱吉さんに失望…?
スクアーロさんは怪しいと思ったのかビアンキさんの言葉に反抗的に返す。
「失望だぁ?
わけ分かんねぇぞぉ…
さっさと帰りやがれぇ!!」
「シシッ、俺もカス鮫隊長と同意見ー♪」
いつの間にかベルさんも参入し。
二人してビアンキさんを指差した。
…が。
ビアンキさんの目がクワッと見開かれ、周りのものがシューシューと溶け始めた。
え、ちょっともう魔法なんだけれども!!
ビアンキさんは見開かれた目のままスクアーロさんとベルさんを睨みつけた。
「いいからとりあえず中に入れなさい!!」
「「…はい」」
ビアンキさんの勢いに圧倒されて素直に頷くスクアーロさんとベルさん。
ビ、ビアンキさん怖いって…!!
私やイーピンちゃんの顔が強張ったときだった。
ぱちぱちぱち…
不釣り合いなほど小さな一人分の拍手が響く。
手を叩いているのはフランくんだった。
「すごいですねー、てか弱いですねカス鮫隊長と堕王子センパイってー」
ミー自分のセンパイが恥ずかしいですー、とフランくんはなおも手を叩きながら言う。
スクアーロさんとベルさんの顔にハッキリと「コロス」という表情が浮かぶ。
しかしフランくんは知ってか知らずか手を叩くのをやめ
「じゃあこちらにどうぞー」
などとちゃっかりしっかりエスコート。
フランくんと女性陣はあっという間に広間に消え、玄関に残るのは私とスクアーロさん、ベルさん、マーモンのみとなる。
「ゔぉおい、悠南…
どういうことだぁ?」
「私だって知りませんよ!!」
そんな困惑された目で見られても私も分かりませんから…!!
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