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Vongole Company
105命懸けの叫び
「いいかぁ、俺が先に行ってくるからなぁ…

俺がもし呼んだら入ってこいよぉ…」

「はぁ、分かりました」



お前も一応女だから守るのが男の務めだからなぁ、とスクアーロさんは頷く。

一応女、とかいろいろ引っ掛かるんだけれども。

私は一応返事をした。



夕焼けの日差しがやんわりと降り注ぐ夕方。

まあ四方を壁に囲まれたこの廊下に日差しは届かないけれど。

私とスクアーロさんは昨晩同様、ザンザスさんの部屋の前でコソコソと話していた。

どうやら私はスクアーロさんの合図がなければ部屋に入ってはいけないらしい。



「いいかぁ、呼ぶまでは絶対に覗くんじゃねぇぞぉ…」

「え、スクアーロさん」

「なんだぁ?」



いつになく真剣な顔のスクアーロさん。

その必死ぶりに思わず私は疑問を口にした。



「もしかしてザンザスさんと中で怪しいこと「してるわけねぇだろぉ!!」」



いや、だって、ねぇ?

そこまで必死だとあーんなことや、こーんなことをしてるかと思うよね、うん

私の疑問をスクアーロさんは全力で否定する。

そして怒りながら言った。



「あのクソボスはなぁ、誰彼構わずなんか投げてくるからなぁ…

お前を安全な場所に置いとかなきゃいけねぇんだぁ!!」

「は、はぁ」



思わず私はスクアーロさんの勢いにのまれ頷く。

私の安否を気遣ってくれてるならね、うん

頷くほかないよね…!!

最後にスクアーロさんは部屋のドアノブを掴み、私を指差して念を押すように言った。



「悠南、俺がもし中で危機に陥ってもなぁ…

お前の安全のために…お前のことは何があっても呼ばねぇからなぁ!!」



え、ちょ、はい?!

つまりスクアーロさんは私のことを何があっても部屋には呼ばないということで。

スクアーロさんは達者でな、と言わんばかりに部屋へ飛び込んだ。

サラリとした銀髪が部屋に吸い込まれる。



「スクアーロさん!!!!」



私が叫ぶと同時に何かが割れる音が聞こえた。

その後、陶器が割れる音やザンザスさんの「かっ消す!」発言に負けない大声が廊下に響く。



「ゔぉおい、悠南!!!

早く来い!!!!」




















…あれ?

これは私のことを案じて何があっても私を呼ばない、と言っていた声なんですが?



所詮、スクアーロさんだもの。

そんなもんだ、軽く失望とかしちゃいけないよ、私…!!

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あきゅろす。
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