悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
「ふふっ。
おはよう、お兄さんっ」
ぎゅうううっ
隣で寝ていた少年がいつの間にか起きた
のか俺に抱き着いてきた。
麗と同じ顔して……。
だから拒むことにも何となく罪悪感を感
じてそれもままならない。
ちゅっ
リップ音を響かせて背中にキスされると
ビクッと体が震えた。
「あ、あのさっ」
…ぐうぅぅぅっ
ものすごいタイミングで腹の虫がなり、
クスクス笑う少年に言いかけた言葉も恥ず
かしくて引っ込む。
「お腹すいたの?いいよ。ご飯食べに行こ
う」
うっ…面目ない…。
顔が火照るのを自覚していると、目の前
で少年の姿が小鳥に変わった。
「さぁ、背中にのって?」
「う、うん…」
『金色の小鳥は青年を背中にのせて街のほ
うへと飛びました』
…え?街?
森じゃなくて?
『うん、街。
小さな青年をのせた小鳥が早朝の賑わう
市場の一角に降り立ちました』
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