悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * 「ふふっ。 おはよう、お兄さんっ」 ぎゅうううっ 隣で寝ていた少年がいつの間にか起きた のか俺に抱き着いてきた。 麗と同じ顔して……。 だから拒むことにも何となく罪悪感を感 じてそれもままならない。 ちゅっ リップ音を響かせて背中にキスされると ビクッと体が震えた。 「あ、あのさっ」 …ぐうぅぅぅっ ものすごいタイミングで腹の虫がなり、 クスクス笑う少年に言いかけた言葉も恥ず かしくて引っ込む。 「お腹すいたの?いいよ。ご飯食べに行こ う」 うっ…面目ない…。 顔が火照るのを自覚していると、目の前 で少年の姿が小鳥に変わった。 「さぁ、背中にのって?」 「う、うん…」 『金色の小鳥は青年を背中にのせて街のほ うへと飛びました』 …え?街? 森じゃなくて? 『うん、街。 小さな青年をのせた小鳥が早朝の賑わう 市場の一角に降り立ちました』 [*前][次#] |