悪魔も喘ぐ夜 Character Episode
*
“知らなかった”。
それで済ませてはもらえない。
そんな考え方はきっと甘いんだろう。
だとしたら…。
「何かないのか。
俺に出来ることなら何でもいいから。
俺が贖えること…何か」
二人の様子を見ていたら処断という言葉
がどれだけ重い罰を意味するのはうすうす
察することはできる。
クロードがきっと手加減しないだろうこ
とも、カイルがそれを黙って受け入れるだ
ろうことも。
「あるって言うたら、するんやろ?」
「え…?」
“例外はない”そう言ってたはずなの
に、クロードは溜息交じりにそう告げた。
あるならなんで言ってくれないんだと顔
を上げると、当のクロードはなんとも言え
ない苦笑いを浮かべていた。
「するに決まってるだろっ。
俺はどうすればいい!?」
「でもそれは、俺の望む事やないから。
教えてあげへん」
「クロードっ…!」
そのまま立ち上がりかけるクロードのバ
スローブを握り締めて止める。
知っているなら教えてほしい。
このまま黙って見てろなんて、目覚めが
悪いどころの話じゃない。
俺の責任なんだから、できることがある
ならするのは当然だ。
でなければ俺は一生後悔する。
馬鹿だった自分を恨み続ける。
それを忘れて自分一人幸せになることも
出来ないだろう。
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