悪魔も喘ぐ夜 Character Episode * “知らなかった”。 それで済ませてはもらえない。 そんな考え方はきっと甘いんだろう。 だとしたら…。 「何かないのか。 俺に出来ることなら何でもいいから。 俺が贖えること…何か」 二人の様子を見ていたら処断という言葉 がどれだけ重い罰を意味するのはうすうす 察することはできる。 クロードがきっと手加減しないだろうこ とも、カイルがそれを黙って受け入れるだ ろうことも。 「あるって言うたら、するんやろ?」 「え…?」 “例外はない”そう言ってたはずなの に、クロードは溜息交じりにそう告げた。 あるならなんで言ってくれないんだと顔 を上げると、当のクロードはなんとも言え ない苦笑いを浮かべていた。 「するに決まってるだろっ。 俺はどうすればいい!?」 「でもそれは、俺の望む事やないから。 教えてあげへん」 「クロードっ…!」 そのまま立ち上がりかけるクロードのバ スローブを握り締めて止める。 知っているなら教えてほしい。 このまま黙って見てろなんて、目覚めが 悪いどころの話じゃない。 俺の責任なんだから、できることがある ならするのは当然だ。 でなければ俺は一生後悔する。 馬鹿だった自分を恨み続ける。 それを忘れて自分一人幸せになることも 出来ないだろう。 [*前][次#] |