悪魔も喘ぐ夜 * 「ぼくはどんなに頑張っても、お兄ちゃん と中学校も高校も一緒に通えない。 いつもぼくが入学する時にお兄ちゃんは 次の学校に入学しちゃう。 でも兄さんはいつだってお兄ちゃんと同 じ学校に通えて、同じ勉強ができて、一 緒に学校にも行けて…ぼくがお兄ちゃん としたくても出来ないこといっぱいいっ ぱい出来るんだ…」 声が次第にしゃくりあげて、抱きついて きている肩が震えている。 麗が泣いているのがいたたまれなくて、 しがみついてきている麗の腕をやんわりと 解いてその震えている肩を抱き締めた。 すると麗はそれ以上の力でしがみついて きた。 「お兄ちゃんは最近隠し事してるし、兄さ んも様子が変だし…。 ぼく、もう嫌だよ。 お兄ちゃんが離れていくのは嫌だ。 お兄ちゃんが好き。大好き。 だからずっと一緒に居てよ…」 [*前][次#] |