星屑の在り方
(月姫/志貴)その音色を私は愛している
「『しき』って面倒臭い名前だよねー」
「は?」
「いや、だって志貴の他に式とか四季とか織とかいるし、七夜的な意味で志貴もいるし」
「……言葉として聞くと、まあ確かに紛らわしいな」
「でしょ? 紛らわしいじゃん、志貴の名前。
遠野志貴と遠野四季も音で聞くと同じだし、両儀式と両儀織も同じだしさ。
だからさ遠野くん────もっと個別化を図ろうぜっ!」
「なんでそうなるんだザビ子」
「なんとなしに、だってもう死徒騒ぎも無くなった事だし志貴も暇でしょ、丁度良い暇つぶしになるよ」
「……不謹慎な事言うな、ザビ子。死徒は誰が退治したかと知っての言葉だよな」
「お疲れ様でした志貴様、ごゆっくり暫しの暇をお楽しみ下さいませ」
「それはそれでむかつくな」
「我が侭☆ボーイめ」
「えーと、なんの話してたんだっけな、俺達」
「あ、そうだ。名称の個別化を図ろう。
────────取り敢えずは志貴、君からだ!」
「えぇ〜……何故に俺から〜?」
「主人公だから」
「納得、で個別化と申すと」
「それぞれに分かり易い渾名を着けよう。志貴は眼鏡掛けてるからのび太とかどうよ」
「そうか────所でザビ子、お前は何分割にされたい?」
「ごめんなさい。じゃあ鬼畜眼鏡」
「十八分割にしてやろうか、特別にアルクェドより多いぞ」
「そんな特別性なんて求めてない。じゃあ鬼畜エロ眼鏡」
「さて────────終わりだ…………!!」
「あれ、殺人貴?」
「俺より七夜の方がエロイと思うんだけどな」
「だってあれも志貴だから」
「本気で分割してやろうか」
「すみませんでした。七夜は七夜さんとか王子とか厨二とかポエマーとかで定着してるし、良いんだよ」
「良いのか。じゃあ四季はどうなるんだ」
「晴男。あとは白髪」
「凄いネーミングセンスだな」
「式ズは両儀さんとか女の子の方とかで伝わるしね」
「じゃあなんでこんな話したんだよ」
「…………だって、その、あの……」
「言いたい事はしっかり言うっ」
「……うう、はい……だからですね、志貴が最近怖い貌ばっかだから……そのですね、気を紛らわしてあげようかなって……」
「────────────────」
「とりあえず、一番くだらない話で和ましてあげようと思ったのでした〜〜〜〜っ!!」
「うえ、ちょザビ子!? 逃げ足早……い、疾い!!」
「なーんーもー言ーっーてーなーいーっ!!」
「逃げるなザビ子、追い掛けたくなるだろ」
「うわァァアァ追いかけてこないでよ志貴ィィイイィイィイィイ!!
本気で逃げるしかないじゃんかァァアァァァアァァァアァ……!!」
此処ハ校内ニ就キ
始まった、我が校名物の校内バカップルの追い掛けっこ。
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