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白銀の昇り龍
気をつけるべきこと

「にしてもお前、本当に惜しいよなぁ」


至極残念そうに浜中が呟き、屋島が肯く。

和久井は「またソレですか」と呆れた目で2人を見るが………一体なんだ?


『何が【惜しい】んですか?』

「スタイル良し、声良し、身長良しなのに、顔がなぁ………萎える」

『………何が?』

「ナニが」

『……私相手におっ勃てようとしてる時点でアウトだと思いますが』


この容姿でそりゃないでしょ。
だって黒モッサにビン底メガネだぜ?


「ソレは言わないってのがここでの暗黙の了解なんですよ」


おそらく、俺が【男】相手にしようとしてる時点でアウトだと言ったと勘違いしたのだろう屋島のその一言で、全てが繋がる一歩手前まで来た気がする。
しかも、その最後のピースも見えた。


『つまり、ここでは教師も生徒も関係なく男が男を抱くことがよくあると』

「そのとーり」


浜中が首肯する。


『しかもそれはほとんどの場合、合意ではなくてレイプだと』

「……よくわかったな。だが、中には保身のために抱かれる奴もいるけどな」

『………いわゆる不良校だから?』

「なかなか鋭いじゃねぇか」



なるほどねぇ。

つまり校長は俺が【性的欲求不満のはけ口の的】にならないように、変装用品をくれたと。

確かに俺は、喧嘩はそれなりだが、体格のせいで一度押さえ込まれたらなかなか難しい。


しかも最近の高校生はやたら発育が良い。
目をつけられた場合、下手したらやられる可能性もなくはない。


………気をつけよ。


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あきゅろす。
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