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さすがに全部読むのはめんどうで、一番新しいメールを開く。
すぐ目に飛び込んできた件名の欄に予想していなかった言葉を見つけて、危うく足を止めそうになる。
『許さん』
え?
なに、この呪いの言葉。怖いんだけど。
俺、冬至になんかしたっけ?
疑問に思いながら、本文の内容を確認しようと指をスライド。
いつの間にか階段の近くまで歩いてきていたらしい。渡り廊下を使おうと何気なく顔をあげて、
「あれ......?」
携帯を握ったまま窓に近づく。
ここから偶然にも見えた、体育館の裏てへぞろぞろと消えていく一団。
そのなかに一度見たら忘れられない風貌を見つけて、なんだか面倒事の臭いがした。
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