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「近々、俺の家とお前の家。あとバ会長の家で仕事をするらしいな。大きな仕事だと聞いた。失敗できないとな。」


先ほどよりい幾分か大きく声を出す冬至に違和感。誰かに説明をしているような、聞かせているような。そんな違和感。



「だからだろう。お前がバ会長に近づいたのは。」

「は?」

「この仕事があったから近づいたんだろう。息子同士仲が良いほうが都合もいい。」

「え、ちょっ」



なに言ってっ。

咄嗟のことに反応できない。

まさか冬至がこんな検討違いのことを言うなんて。今日の冬至は、俺の予想の斜め上をいくらしい。



「はあ......。ごめんけど。俺はそんなこと全然、」




ーー考えたこともない。






そう言おうとして、後ろから聞こえた音に振り返る。

ドアに何か当たったのか、それはカコーンと間抜けな音を響かせて。





先ほど閉め忘れていたらしい。

少し開いたドアの隙間に、





「え」





俺は別に目が良いほうじゃない。
だけど俺ははっきり見た。



遠ざかる足音。床に落ちたペン。






あぁ、もうどうしよう。


両のポケットを探る。やはりハンカチはない。


あぁ、もう困った。






早く、追いかけないと。







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あきゅろす。
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