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「し、しの! なんでここにっ、」
俺の制服を掴み、大きく揺さぶってくる転校生に身体がぐらつく。顔を殴られたのが原因か、頭もがんがんと痛くなってきた。
「あ、ちょっと落ち着いて。とりあえず服離してくれるかな。頭がいたくて。」
「あ、ごめん!!」
そう言って制服から手を離し、3歩ほど下がった転校生に一先ず安堵する。
「えっとね、......さっき君たちがここに入っていくのが見えたから。体育館裏なんて、告白かワルイことかどっちかでしょ。俺、一応風紀委員だし。まぁ、」
そこで、運悪く親衛隊の子と視線が交わる。
みるみる顔を青くしていく二人に、俺の方がワルイことをしている気分になってしまう。愛先輩、とまではいかなくても二人とも普通に美少女にみえるし。
「えっと、俺も見ちゃったからこのままなしにはできないんだ。風紀室までついてきてもらえるかな?」
「あっ、はいっ! 行きます、いきます!」
「ぼ、僕もいきます!」
眉をへの字に曲げながら、首をぶんぶんと振り頷く二人にほっと息をはく。
断られたらどうしようかと思った。
このほっぺも役にたったのかもしれない。
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