4 「し、しの! なんでここにっ、」 俺の制服を掴み、大きく揺さぶってくる転校生に身体がぐらつく。顔を殴られたのが原因か、頭もがんがんと痛くなってきた。 「あ、ちょっと落ち着いて。とりあえず服離してくれるかな。頭がいたくて。」 「あ、ごめん!!」 そう言って制服から手を離し、3歩ほど下がった転校生に一先ず安堵する。 「えっとね、......さっき君たちがここに入っていくのが見えたから。体育館裏なんて、告白かワルイことかどっちかでしょ。俺、一応風紀委員だし。まぁ、」 そこで、運悪く親衛隊の子と視線が交わる。 みるみる顔を青くしていく二人に、俺の方がワルイことをしている気分になってしまう。愛先輩、とまではいかなくても二人とも普通に美少女にみえるし。 「えっと、俺も見ちゃったからこのままなしにはできないんだ。風紀室までついてきてもらえるかな?」 「あっ、はいっ! 行きます、いきます!」 「ぼ、僕もいきます!」 眉をへの字に曲げながら、首をぶんぶんと振り頷く二人にほっと息をはく。 断られたらどうしようかと思った。 このほっぺも役にたったのかもしれない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |