3
あっ。まっ、
走って二人の間に割り込む。
それからはもう、反射で。
ーーーー〜っ!
一瞬、目の前が揺れた。
「いたっぃ。」
頬がじんじんと痺れたようにいたい。口のなかは明らかな血の味で。
想像していたよりもすごい衝撃に、頬をおさえる。離れていった転校生の手を見て、そうきたか、と素直に納得した。
まさか、グーとは。
勝手に平手打ちと思っていた俺も悪いけど、まさかグーとは。
これは、痛いはずだ。
よろける身体に足を踏ん張って、固まって動かなくなった三人を見る。
「さ、......さっ、桜庭さまっ!?」
「桜庭、副委員長っ。」
「しのっ!!」
「......あ、うん。」
目を真ん丸くして、こちらを見上げてくる三人に何とも言えない気持ちになる。
ほっぺは相変わらず痛いし、未だに拳を握ったままの転校生は少し怖い。
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