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犬馬の心







さっきから声がすると思いきや、いつの間にか座っている俺を見下ろす人が居た。

…………美人…!!

その人は黒髪で純和風の清楚な顔立ちをしている。
俺の顔を真っ直ぐ見つめてくる眼鏡の奥の瞳。それはとても綺麗で深い黒だ。
あ?…この人見たことが…。

ぬお!デジャブ!!

「…もしかしてアンタ副会長!?!?」

俺の驚き様にクスリと上品に笑った副会長さん。

「ええ。僕が副会長の石井貴一です」

(まじかよ!!)

何たる偶然。
この廊下は生徒会メンバーの出没率が高いスポットなのか??

(すげぇ!!この前も生徒会メンバーに会ったのに!!)


綺麗な艶々の黒髪は光でキラキラしている。この輪のような光の反射具合を天使の輪って言うんだっけ?
感動して言葉の出ない俺をよそに、石井先輩は興味津々でポータブルゲームを覗き込んでいる。

「面白いのですか?」

「あ、あぁ…それなりに…」

「でも…動きませんね」

「え?…あ゛ぁぁッ!!!」

突然の副会長出現により、止まっていた俺の手。
おかげで指令待ちだったキャラクターはラスボスにボコボコにされていた。





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あきゅろす。
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