犬馬の心 2 さっきから声がすると思いきや、いつの間にか座っている俺を見下ろす人が居た。 …………美人…!! その人は黒髪で純和風の清楚な顔立ちをしている。 俺の顔を真っ直ぐ見つめてくる眼鏡の奥の瞳。それはとても綺麗で深い黒だ。 あ?…この人見たことが…。 ぬお!デジャブ!! 「…もしかしてアンタ副会長!?!?」 俺の驚き様にクスリと上品に笑った副会長さん。 「ええ。僕が副会長の石井貴一です」 (まじかよ!!) 何たる偶然。 この廊下は生徒会メンバーの出没率が高いスポットなのか?? (すげぇ!!この前も生徒会メンバーに会ったのに!!) 綺麗な艶々の黒髪は光でキラキラしている。この輪のような光の反射具合を天使の輪って言うんだっけ? 感動して言葉の出ない俺をよそに、石井先輩は興味津々でポータブルゲームを覗き込んでいる。 「面白いのですか?」 「あ、あぁ…それなりに…」 「でも…動きませんね」 「え?…あ゛ぁぁッ!!!」 突然の副会長出現により、止まっていた俺の手。 おかげで指令待ちだったキャラクターはラスボスにボコボコにされていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |