【淫魔都市】A

 淫魔都市の中心部にそびえる超高層マンション『淫靡〔いんび〕キャッスル』市長や職員も居住していて、行政の中心にもなっている建物の一室で、革張りの椅子に全裸で座っている男の前にしゃがんで、フェラチオをしている全裸の女がいた。
 男のモノを口に含んでいる女が言った。
「んぐッ……ぺちゃ……じゅぷっ……はぁ、柔らかくて詰まったキン●マの感触……やっぱり、男には棒と玉の両方ないとね。フェラチオの楽しみが半減しちゃう……んんんッ」
 フェラチオをしている女の頭を優しく撫でながら、男が言った。
「下の世界から『淫魔都市』を訪れた者がいるらしい」
「都市ルールでセックス勝負するの? 先にイッた方が負けの」
「まだ、わからない市長からのセックス勝負開始の連絡は無いから」
「誰が相手でも、百戦錬磨のあたしたちは無敵だよ……淫魔族の勇者、マララとヌーブラに勝てる人間はいない」
 そう言って女……淫魔族の無敵性器『ヌーブラ』はフェラチオを続けた。

 軍医タコ一行は、淫魔都市の駅から都市へと出た。
 威圧感のある高層ビル群の下の方には、庶民の生活感が漂う横丁やガード下飲み屋街があった。
 軍医タコ一行は情報収集のために、横丁をブラブラする。
 立ち飲み屋や飲食店が並ぶ横丁のシャッターが下りた店の前で、軍隊の制服姿で酔い潰れている男を見つけた軍医タコが話しかける。
「大丈夫ですか? 飲み過ぎじゃないですか?」
 酒気を漂わせ、顔を真っ赤した男が顔を上げる。
「らいじょうふれす……これはいつものことれす……給金安い仕事で酒でも飲まないとやっていら……」
 覗き込んでいる軍医タコのオレンジ色の顔を見た、男は酔いが覚めたように勢いよく後退してシャッターに背中をぶつけた。
「オ、オレンジ色したタコ……どうして、おまえがココに?」
「やっぱり、わたしをご存じでしたか……見覚えがある真地球軍の制服姿だったので、もしやと思って声をかけてみましたが。赤いゴキブリ星から撤退した武装宇宙船の乗組員の方でしたか」
「よくも、あんなバカげた性戦なんて計画したな……あんたの姿は遠目でチラッと見ただけだが、ゴキブリ女に騎乗されて犯された恐怖は今も忘れていないぞ……今でもオレとゴキブリの間に生まれた子供の写真を勝手に送ってきやがる」



 男がポケットから取り出して見せた写真には、同じ顔をしたゴキブリ人類の少女たちがカメラ目線で写っていた。
「かわいい、お子さんたちですね……あなたは、どうしてココにいるんですか?」
「どうもこうもない地球に帰還途中に宇宙船の事故で不時着した……男二百人、女百人いたオレたちに淫魔族が言ってきた『セックス勝負に一人でも勝ったら都市から解放して自由に行動していい……だが、負けたら市民となって税金を納めてもらう』と」
「それで、あなたたちは勝負に負けたと」
「たった三人の淫魔に、三百人が完敗だぜ……市民にさせられ、居住地は提供してもらったが給与の半分が税金で天引きされる……オレたちが払う税金で淫魔族の連中は働かないですみ、毎日スケベ三昧だ。オレたちは繁殖能力が無い淫魔族に代わって市民を増やすための子作りを強要されている……ここは都市という名の人間繁殖場だ」
「あなたがたは、リベンジしようとはしなかったんですか?」
「ムチャを言うな、あんな化け物みたいなセックスに敵うわけないだろう……いつでも挑戦は受けるとは言っていたが」
「そうですか」


 数十分後……軍医タコ一行は淫靡キャッスルの中にある、市長室にいた。
 市長室には金髪で裸の女市長が、軍医タコたちを出迎えてくれた。
「ようこそ『淫魔都市』へ……わたしが市長の『ティンポスキー』です……わたしが裸なのは淫魔族の中でも数名に与えられた特権なので、気にしないように……破華姉ぇから話しは聞いています、都市ルールのセックス勝負はあなたたちには免除しましょう」
 ここで軍医タコは意外な提案を女市長に言った。
「都市ルールのセックス勝負、わたしたちにもやっていただけませんか……こちらからは三名選出しますから、淫魔都市からも代表三名で……どうせなら、真地球の乗組員三百人を屈服させた三名で」
 驚いた表情をする若い女市長のティンポスキー。
「負けたら市民になって留まるんですよ……それでもいいんですか?」
「一人でも勝てばいいんでしょう……下の世界の実力知りたいと思いませんか」



[前戯へ][後戯へ]

18/38ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!