天と海を支える女巨人A〔蘭花の特化能力〕

 唇が離れた蘭花に軍医タコが、去るような素振りを銀牙に見せるように指示をする。
 去って行こうとした蘭花の腕を銀牙は、優しくグイっと引き留めると、そのまま蘭花の体を背後から抱き締め〔ハグ〕しながら囁いた。

蘭花といると本当の自分になれる気がする。オレには蘭花が必要だ
 蘭花の尿道口から、軍医タコが特別に出るように肉体改造した女の白い精液が染み出てくる。

 一連の銀牙の行動を見ていた尻目が軍医タコに訊ねた。
「銀牙さんの特化能力って……いったい?」
「女子が男性から言われたい、されたい胸キュンキュン行為の【少女マンガ】理想男性パターンが銀牙に与えた特化能力です……もっとも、この特化能力は蘭花限定で発動する能力ですけれど……そうですよね、銀牙」
 蘭花を後ろから抱き締めた銀牙が、蘭花の頭を愛玩動物を愛でるように軽く、髪クシャしながら答える。

「はい……オレは蘭花を愛しています
「銀牙……うれしい」

 蘭花の顔が至福の表情に包まれる。尻目が軍医タコに言った。
「なんかすごい、特化能力ですね」
「バイク事故で崖下に転落して、瀕死寸前だった銀牙を着衣人類から裸族人類に改造した時に【少女マンガ】の女子胸キュンパターンを銀牙の心に刷り込んだ時は、かなりの抵抗と拒絶を銀牙の心は示していましたが……強引に潜在意識に植え付けたので。今は恥ずかしげもなく銀牙は蘭花に堂々と愛を示すコトができます」

 軍医タコは背後抱擁で蘭花に全裸キスをしている、銀牙の姿に満足気に目を細める。
 蘭花と銀牙は軍医タコにとって、芸術品でもあった。
「裸族人類は浄化作用で体が汚れないので、洗浄の必要はありませんが……蘭花と銀牙には定期的に浴室で泡だらけになって、銀牙から愛の言葉を囁きながら対面抱擁でキスをさせて……愛し合っているコトを確認させています……もっとも、裸族人類や裸女はフリーセックスですから。浴室に第三者の男女を招いているコトもありますが」
 軍医タコの言葉通り『裸族人類が存在する退屈でない世界』には、浮気という概念は無く。
 蘭花と銀牙は、着衣人類とのカップル交換セックス中も、抜き挿しを行いながら「蘭花、愛している」「銀牙……好き」と離れた場所でセックスをしている互いの顔を見ながら、愛の言葉を伝え合うコトができる。

 軍医タコが言った。
「次は蘭花の特化能力を見てみましょう……蘭花、特化能力を披露しなさい」
「はい、タコ神二号さま」
 銀牙から離れた蘭花は、床にM字開脚で股を開く……途端に空間がデジタル変化して、レトロなゲーム調の四角い平面空間に変わった。
 繰り返される単調な効果音とゲーム音楽が流れる中、空間と一緒に姿が一変した三等身キャラの尻目が言った。
「アァ……あたしと軍医タコさんの姿が、解析度画素が荒い情けないピクセルキャラ姿に……目や口なんて長方形でピコピコ手足動かしていますよ」
「これが蘭花の特化能力です……ほら、ゲームがはじまりました。十字ボタンを上下左右に操作して、迫り来るザコ蘭花を妊娠させてください」

 遮蔽板の後ろ側にチ●コの形をした砲身の移動砲台が現れ……同時に上空に敵キャラ化して整列したピクセルキャラの蘭花が、股を閉じたり開いたりして下降をはじめた。
 尻目が十字ボタンを上下左右に動かして、発射ボタンを連打する……チ●コ砲身の先端から精子のような光弾がピュッピュッと、下降してくる蘭花に向かって飛んでいく。

 迫って来る蘭花の方も、愛液のような光弾を打ち返してきて、遮蔽板が次第に崩れていく。
 股を開閉して迫る蘭花の数が減ると、蘭花の動きが活発になり数体になるとハエのように螺旋を描いて飛んできた。
 悲鳴を発する尻目。
「ひえ〜〜っ!」
「大丈夫です、もうすぐ上空を点滅するボーナス蘭花が通過しますから、それに精子弾を当てて妊娠させればザコ蘭花は消滅します……ほら、飛んできましたよ」
 軍医タコの言葉通り、ゆったりと飛んできたボーナス蘭花を妊娠させるとザコ蘭花は一掃された。
 これは蘭花を妊娠させるシューティングゲームだった。



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