海と天を支える女巨人B

 尻目が安堵していると軍医タコが言った。
「まだ終わっていません、このステージのボス蘭花が出てきます」
 軍医タコの言葉通りに画面の半分を占める、ボス蘭花がガニ股の足を開閉しながら上下する。
 攻略アドバイスをする軍医タコ。
「無防備に足が開いたタイミングを狙って、股と足の空間に入って性器を精子弾で狙い撃ちしてください……性器を膜が保護するモードに変わり、足が開いたら外に出てバリアーで足攻撃を防御……股が開いたら、ふたたび侵入してマ●コを撃ってください」
 尻目が言われた通りにプレイしていると、マ●コが点滅して赤みを帯びてきた。
「がんばってください、もうすぐ蘭花は妊娠します
 画面が停止して救急車から降りた医者が、ボス蘭花のマ●コを妊娠検査薬で診察する。
蘭花、臨月突入ですセックス禁止》の横文字表示と共に、蘭花の下腹部が膨らみ妊娠が確認された。

 ゲームがクリアーされると、空間が通常状態にもどった。生身姿の蘭花は気持ち良さそうに蘭花を指で押し開いて床に座り込んでいる。
「はふーっ、気持ち良かったぁ……あたしの体には、百本以上の【レトロゲーム】が特化能力として内蔵されています……ロープレゲームとか、シューティングゲームとか、スポーツゲームとか、パズルゲームとか、アクションゲームとか……でも、あたし自身レトロゲームをあまり知りませんので、使う場面がありません」
 軍医タコが言った。
「銀牙の【少女マンガ】、蘭花の【レトロゲーム】……どちらの特化能力も使い勝手が悪いので、今まで特に公開しませんでした……二人ともご苦労さま、冷凍庫にもどって氷の中で眠りなさい」
 蘭花と銀牙が部屋から去ると、尻目が言った。
「蘭花さんと、銀牙さんの特化能力スゴかったです……えーと、クラゲ側裸族人類の秋さんの特化能力って何ですか?」
 腕組みをして思案していた軍医タコが答える。
「秋の特化能力は……なんでしょう? ふむっ、男女一体型裸族人類だったらアナザー・エデンの男女どちらの事態にも対応できますね……クラゲの軍医に特化能力を聞いて、アナザー・エデン同行を頼んでみますか」
 そう言って、軍医タコは空中にクラゲ軍医直通のクラゲ型をした、連絡回線を開いた。


 クラゲ型宇宙人軍医の部屋……フニャとした表情をした、クラゲたちが漂う部屋の中で、秋と向かい合った軍医クラゲが言った。
「タコの軍医からアナザー・エデンに行くために秋の力を借りたいと……打診があったにょ」
 女秋は気持ちが抜けた返事をする。最近の秋は額にバンダナを巻いて、髪を肩甲骨辺りまで伸ばしている。
「はぁ……そうですか」
「ここらで、タコに恩を売っておくのも悪くないにょ……裸族人類の秋にはクラゲは基本放置主義だから、好きにやらせているにょ……でも今回だけは神として命令するにょ『秋、タコの軍医と一緒にアナザー・エデンに行くにょ……少しくらいならタコの指示に従うにょ』
 女秋から男秋に変わった秋は、それまでいじくっていたマ●コ穴の痕跡から指を抜く、女性性器が閉じて男性性器に変わった体に入っていた指の穴は、キュッと閉じて消えた。

 男女一体型裸族人類の秋は肉体と精神のバランスを保つために、常に体が女か男かの確認をしている。
 秋が抑揚のない返事をする。
「はぁ……わかりました」
「軍医タコから、今回は響子の誕生日プレゼントの素を探しにアナザー・エデンに行くから秋には、響子に誕生日プレゼントのコトを漏らさないようにクラゲの方から秋に厳しく言っておくように言われたにょ……クラゲ神として命じるにょ、響子に誕生日プレゼントのコトは他言無用だにょ」
「はい、拷問されても誰にも言いません……例え中世魔女裁判の責め具で、乳房や性器を責められても」
「たいした覚悟だにょ……ところで秋は、クラゲが与えた特化能力を一度も使わないみたいだにょ、それはなぜかにょ?」
「…………」
「答えたくなかったら無理には聞かないにょ」
 そう言って、クラゲ型宇宙人の軍医クラゲはフワフワと空中を漂った。


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