episode1-04
下手すれば犯罪に発展しそうなこの状況を黙って見過ごせるわけもなく。
「あ、店長〜!」
声を掛け、"ん?"と振り向いたカカシのわき腹に拳を埋めた。
不意打ちにカカシは「うっ!」と短い声を漏らし、その場にしゃがみ込む。
レジ台の下で起こった出来事に、当然女子高生達はカカシの行動が理解できず、うずくまったカカシを見ようと背伸びする。
そんな女子高生たちにサクラは商品を入れた袋を押し付ける様に差し出し、
「ありがとうございましたー!!」
と、"早く出ていけ"オーラをプンプンに放ちながら笑顔をむける。
その有無を言わせぬ口調と、笑顔の後ろに見える般若に女子高生達はビクッと肩を震わせながら、逃げるように店内から去っていった。
(よし、犯罪防止成功っと!)
入り口に目をやりながら満足げに笑うサクラを、わき腹に手を当てながら腰をあげたカカシはジロっと睨みつける。
「サークーラー?どういうつもり?」
「あら店長、どうしたんですか?わき腹なんか抑えて。」
「お前がやったんでしょ。店長に暴力奮っていいと思ってんの?」
「あたしは、犯罪を阻止しただけです。あ、それより店長!頑張ってるあたしを楽させてくれるんですよね〜?じゃあ、あたしはいつもより"長め"に休憩行ってくるんで後宜しくお願いしますね!」
早口でそう、まくしたてると、未だ痛むわき腹を手で抑えた店長を尻目にさっそうと事務所に入ってしまった。
静かな店内に響くのは、取り残されたカカシの大きな溜め息。
(はぁ、せっかく俺好みの子だったのに…。)
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