[携帯モード] [URL送信]
episode1-02



お昼の混雑時を終えた夕方近くのコンビニは暇なもので、今だってお客は女子高生2人と、雑誌を立ち読みしている者が数名。



従ってレジに助っ人など必要な筈もない。



じゃあ、何故かって?









「店長〜?わざわざ店長が出てこなくてもあたし一人で大丈夫ですよ?」



笑顔で遠まわしに"あなたは必要ない"と告げると、店長はそんなあたしの心理を見破ってなのか気づいていないだけなのか、顔色ひとつ変えず飄々と思ってもいない事を言ってのけた。



「いや〜、サクラずっと頑張ってるからさ。ちょっと楽さしてやろーかなーっと思ってね?」



(うそつけ!アンタ女子高生ナンパしに来ただけだろうが!)



この隣でヘラヘラ笑ってレジに向かってくる女子高生を品定めしてる店長こと"はたけカカシ(33)"こそがサクラの悩みの種であった。



いや、サクラだけじゃなく従業員全員と言っても過言ではないだろう。



店長の仕事はおもに、従業員のシフトの調整や、売上計算、商品の発注等の事務作業。



従って、勤務時間ほとんどを事務所で過ごしている。



が、たまにこうやって店内に顔を出す。



それは混雑時に助っ人として来てくれる様な優しいものではなく、全ては自分のため。



店内に設置されている防犯カメラの映像が事務所にあるモニターで見れるようになっており、店長は自分の好みの女性客が来店すると、こうやってレジに立ち笑顔を振りまき女性客の心をかっさらうのだ。

[←][→]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!