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ガッチャーンと瀬戸物が割れる音がした。
「よ、よ、陽様が………平凡野郎に………………あーんされた……………………」
食堂にいる全ての人の視線があつまる。
星弥が小さく「あちゃー」と言っているのが聞こえた。
どうやら私はやらかしたらしい。
「あいつ…新入生挨拶してたよ」
「例の陽様よりも頭がいい外部生だね」
「平凡顔が許せない」
「あの、陽様が懐いてるよ…」
「カラダで誘惑したにちがいないよ」
「でも陽様ノーマルだって」
「なんでも、陽様自らが同室になりたがったって噂、ほんとらしいよ」
周りから声がする。
陽は、というと我関せずに卵をほおばっている。
私は今この場で陽をどついてやりたかった。
お前のせいで(私も悪いけど、本を正すと陽が悪い)目立ってんのに!
私はとりあえずこの場をまるく納めようと、陽のファンらしきチワワのような男の子たちの方を振り返った。
男子校生のわりに小さい彼らは私を睨むようにして見上げている。
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