6 ガッチャーンと瀬戸物が割れる音がした。 「よ、よ、陽様が………平凡野郎に………………あーんされた……………………」 食堂にいる全ての人の視線があつまる。 星弥が小さく「あちゃー」と言っているのが聞こえた。 どうやら私はやらかしたらしい。 「あいつ…新入生挨拶してたよ」 「例の陽様よりも頭がいい外部生だね」 「平凡顔が許せない」 「あの、陽様が懐いてるよ…」 「カラダで誘惑したにちがいないよ」 「でも陽様ノーマルだって」 「なんでも、陽様自らが同室になりたがったって噂、ほんとらしいよ」 周りから声がする。 陽は、というと我関せずに卵をほおばっている。 私は今この場で陽をどついてやりたかった。 お前のせいで(私も悪いけど、本を正すと陽が悪い)目立ってんのに! 私はとりあえずこの場をまるく納めようと、陽のファンらしきチワワのような男の子たちの方を振り返った。 男子校生のわりに小さい彼らは私を睨むようにして見上げている。 [*前へ][次へ#] [戻る] |