5 陽はカルボナーラ。 星弥は刺身らしきもの。 相変わらずBL談義をしている。 私がさっき怒ったので、あくまでも静かに。 本人たちも、周りに趣味がバレるのは本意でないらしいので、それもあるだろうが。 私も私でボケーッとさっきの美人の姿を思い出していた。 生徒会役員相手にまずったなぁ…と。不躾なことをしてしまった。 仮にも全校生徒の前で挨拶した身だ。 うーん、考えすぎだよねと自己解決してみる。 そんな事を悩んでいたせいで、私は過ちを犯してしまった。 この誰が見てるかもわからない食堂で。 「ねぇ、きい。卵一個ちょーだい」 陽は私の冷やし中華にトッピングされているゆで卵を指差した。 私はそれを自分の箸で一つ摘み、陽に向けた。 「はい」 陽がそれを食べようとした時、周りがざわめいた。 陽はかまわず私の箸から卵を食べた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |