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魔王国エデン
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By ネグラス・コーディェライト
2017-06-01 00:17:27
(そういえば死臭という大それたものではないにせよ、死のかほりと言うのだろうか?空間の夜の暗さを増長するものがずっと奥のほうから幾つもの手を指を伸ばして床上を彷徨っているそんな気分になる。)
誰もいないのなら、帰る…よ?
(変わらずこちらからの呼びかけに対する答えはない。ただ活けられた花がふわりと花ビラを綻ばせて微笑するかに見えて、ゆっくりと目を瞬いて唇へ小さい指先を添え、口先を尖らせてフウッとこちらも吐息を一つ吹いたなら、首を傾げるようにしてゆっくりと微笑んでみせ。体を巡らせて片足ずつそっと床上を動かし真後ろの方向を向いて、そこからやって来た道を戻ることにしたい。肩から重荷がフッと抜けてゆく気がし呼気を取り込んで夜の冷たい空気がそこにあったことに今更ながら少々驚いて。肌に張り付く生温さばかりを感じていたらしい。小さく水が滴った高い音をずっと向こうに聞きながら、扉をやって来たときとは違い今度は自分で押してから外へ出。しかし扉が軽い、誰かが手を添えて開いてくれるかのようだ。自分が外へ出ると自然に扉は閉じて元からあった状態をそこに魅せることだろう。久々に館に蔓延る空気を押し遣って外へ出てきた、夜はどこまでも暗くて眩しいような気分にさせるばかりだった。)
>退室
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By ネグラス・コーディェライト
2017-05-31 23:57:34
どうやら誰かがいたとしても、届かなかったと見えるね。
(なめらかな声は悪魔的な小唄のように紡がれて。勝手に誰もいないと判断してしまうにはまだ、この館は広かった。もう一度ぐるりと首を回し突出がちな両の瞳をぐるりと回転させて見るも、蜘蛛の巣が小さく映ったのみで生存者を見つけることは叶わずにいて。暗い。館の続く柱の向こう側が見えないくらいには。)
ああ………。
(水の音色に混ざって風の音が聞こえて侘しさを一層増したものと変え。つい意識があちらを向いているうちに支えを失った片足がたたらを踏むに任せて進み出ては、ローブがずってやわらかな衣擦れを立てる、ついでのようにもう一歩一歩と前へ出て、時計の音響が丁度木霊するロビーの中央付近まで近寄って。轟と響いたチャイムの音色が後を引いてまだ空間に残っているような不可思議な感覚を得て。おかしくなったのか耳がどうせ勝手に拾ってきたのだろうと決めつけて唇を結び、顎をちょっと仰向けて瞬きを、何も恐れる意味はないと。)
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By ネグラス・コーディェライト
2017-05-31 23:27:35
【リアルタイム】

(ノックする前に扉が開いた。時計のチャイムが鳴り響き蔓延する甘い毒めいた香りが中へ誘うかのように腕を伸ばして。訪ねる屋敷の場所を間違えたと最初思った。ローブの裾を擦って柔らかい靴で歩を進み出ると後ろで勝手に扉が閉まり、後ろ髪くいと引かれるかのように背筋を反って丸い目をちょっとばかり見開くもそれだけで大して驚かない。魔王国エデンに居住するには、こういった現象はごく自然にあるものだ。子どもには高すぎて首が凝るくらいの天井を細い首をぐるりと回し見上げてから正面へ戻し。)
こんばんは。どなたかここに、いらっしゃいますか?
(首を傾げて唇の両端をそっと上げて微笑む形に、小さい指先を丸い顎へ添えて、子どもの高い声色での問いかけは徒労に終わるだろうか?耳に掌を宛がうと水が単調に鳴る小さな音色が届き、この館に水が存在することを教えてくる。)
>入室
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嘆きの館
By ネグラス・コーディェライト
2017-05-31 23:18:58
石造りの古い屋敷。誰が活けたかロビーに咲き乱れる毒々しい生花、時間を遡る柱時計。ガラスを外された長窓、高い天井、連なる柱。苔生す小川のある中庭に蔓延る死の雰囲気、接面の一階部分に渡り廊下が架けられ手摺と中庭へ降りる階段がない。鳥の声が木霊する、嘆きの音色に似ている。家財の小物類は持ち去られ、持ち主の近影が一つとしてない。玩具のベアがいる部屋に半日指が離れなくなる呪いのハープ。
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