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どうやら誰かがいたとしても、届かなかったと見えるね。 (なめらかな声は悪魔的な小唄のように紡がれて。勝手に誰もいないと判断してしまうにはまだ、この館は広かった。もう一度ぐるりと首を回し突出がちな両の瞳をぐるりと回転させて見るも、蜘蛛の巣が小さく映ったのみで生存者を見つけることは叶わずにいて。暗い。館の続く柱の向こう側が見えないくらいには。) ああ………。 (水の音色に混ざって風の音が聞こえて侘しさを一層増したものと変え。つい意識があちらを向いているうちに支えを失った片足がたたらを踏むに任せて進み出ては、ローブがずってやわらかな衣擦れを立てる、ついでのようにもう一歩一歩と前へ出て、時計の音響が丁度木霊するロビーの中央付近まで近寄って。轟と響いたチャイムの音色が後を引いてまだ空間に残っているような不可思議な感覚を得て。おかしくなったのか耳がどうせ勝手に拾ってきたのだろうと決めつけて唇を結び、顎をちょっと仰向けて瞬きを、何も恐れる意味はないと。)
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