[
携帯モード]
[
URL送信]
メッセージの編集
お名前
本文
(そういえば死臭という大それたものではないにせよ、死のかほりと言うのだろうか?空間の夜の暗さを増長するものがずっと奥のほうから幾つもの手を指を伸ばして床上を彷徨っているそんな気分になる。) 誰もいないのなら、帰る…よ? (変わらずこちらからの呼びかけに対する答えはない。ただ活けられた花がふわりと花ビラを綻ばせて微笑するかに見えて、ゆっくりと目を瞬いて唇へ小さい指先を添え、口先を尖らせてフウッとこちらも吐息を一つ吹いたなら、首を傾げるようにしてゆっくりと微笑んでみせ。体を巡らせて片足ずつそっと床上を動かし真後ろの方向を向いて、そこからやって来た道を戻ることにしたい。肩から重荷がフッと抜けてゆく気がし呼気を取り込んで夜の冷たい空気がそこにあったことに今更ながら少々驚いて。肌に張り付く生温さばかりを感じていたらしい。小さく水が滴った高い音をずっと向こうに聞きながら、扉をやって来たときとは違い今度は自分で押してから外へ出。しかし扉が軽い、誰かが手を添えて開いてくれるかのようだ。自分が外へ出ると自然に扉は閉じて元からあった状態をそこに魅せることだろう。久々に館に蔓延る空気を押し遣って外へ出てきた、夜はどこまでも暗くて眩しいような気分にさせるばかりだった。) >退室
設定パスワード
編集する
削除する
無料HPエムペ!