短文
突発短文Log-09.09.28
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ルクナタ
By シロイ
「離せ、離せよ!嫌だ!俺を、ここから、出して」
門の内側で叫ぶルークを白光騎士団の二名が押さえ付けていた。
もがき続けるルーク。
ルークの母親が夫に縋り付き、公爵本人は渋い顔をしてルークを見ていた。
その傍にはラムダスが控え、遠巻きにメイドたちがルークを見守っている。
「出して出して出してよ!嫌だよ!もう出して」
幼い彼はそのまだ発達途上の腕を振り上げ、拳を石造りのタイルに打ち付けた。
潤んだ瞳が門の奥を映し出す。
柵の内側から手を伸ばして外の世界に少しでも触れたルークを、ナタリアはその外側から見ていた。
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お願いします。
誰か彼を助けてください。
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ガイナタ
By シロイ
「お前は何処から来て、何処へ帰るのでしょうね」
彼女の寝室のテラス。
そこで彼女は小鳥たちと戯れていた。
風が緩やかに彼女を包み込み、彼女の笑みを誘う。
ルーク様の言伝を預かったガイは城に訪れ、そして切なく笑う彼女を見て胸を高鳴らせた。
――自分に言われたのかと思った。
小鳥が飛び立ち、その背を追うように暫く見詰めていた彼女は、ようやっとガイの方へと視線を寄越した。
幼いとばかり思っていた少女が、先程の彼女からは想像できないような全ての感情を押さえ込んだような表情をしている。
「お前はどう思いますか、ガイ、」
――これは何の高鳴りだろうか。
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小鳥は籠へ戻らない。
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