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* 叶多side *


手が震える。
息が乱れているのが、自分でもはっきりとわかった。

何かに心をぐちゃぐちゃにかき回されたような気持ち悪さ。


頭、痛い。



「叶、多…?」


誰。

そんな風に、名前を呼ばないで。





「優しく、しないで…!」




未来。

これは、罰なんだよね。


それでもいいよ。
あなたがくれるものなら、俺はなんでも受け入れるよ。

だって俺の「大切なヒト」は、あなただから。


あなたを殺せたってことは、俺が、あなたの「大切なヒト」だったって、思ってもいい?



わかってるよ。

あなたも俺も、知りうる人間が、少なすぎたんだよね。

俺には、あなたしか。
あなたには、俺しか。

傍にいなかったから。
それが「大切」なるのは、当たり前だったんだって。


でももう少しだけ、夢を見さしてよ。



次の任務を終えたら、それを認めるから。ちゃんと。




傍にいれば、その人間が特別に、なっちゃうってこと。


そのために俺はこの学園に来たんだから…



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