4649 4 * 叶多side * 手が震える。 息が乱れているのが、自分でもはっきりとわかった。 何かに心をぐちゃぐちゃにかき回されたような気持ち悪さ。 頭、痛い。 「叶、多…?」 誰。 そんな風に、名前を呼ばないで。 「優しく、しないで…!」 未来。 これは、罰なんだよね。 それでもいいよ。 あなたがくれるものなら、俺はなんでも受け入れるよ。 だって俺の「大切なヒト」は、あなただから。 あなたを殺せたってことは、俺が、あなたの「大切なヒト」だったって、思ってもいい? わかってるよ。 あなたも俺も、知りうる人間が、少なすぎたんだよね。 俺には、あなたしか。 あなたには、俺しか。 傍にいなかったから。 それが「大切」なるのは、当たり前だったんだって。 でももう少しだけ、夢を見さしてよ。 次の任務を終えたら、それを認めるから。ちゃんと。 傍にいれば、その人間が特別に、なっちゃうってこと。 そのために俺はこの学園に来たんだから… [*前へ][次へ#] [戻る] |