幻滅デイリー 死亡予想図4 「わたしが、もし死んでしまったら──君はどうする?」 自分にとって唯一の安らぎである彼女に、訊いてみた。わたしは奴に訊かれて、「うん、謝りに行くよ。お前を殺すのは、きっと──わたしだからね」と言ったのに。どうしてか、人間という生き物は頼り押し付けてしまうのか。やはり、精神的に弱い生き物なのだろうかとどうしても考えてしまう。 「燃やすよ、燃やす燃やす」 何と、わたしは彼女によって三回も燃やされるらしい。どうやら、こんがりウエルダンの様だ。まあ、現代の日本は大抵が火葬なので可笑しい話でも無いが。 「そういや、君は葬祭業社だったね」 「ん? そうだよ、それがどうかした?」 「いや、職業病かなって思ってさ」 君に燃やされるのなら、本望かもしれない。わたしは常に、彼女から熱を受けては燃えているのかもしれないのだから。今更、死んでから更に燃やされようと変わらない話だ。 「でもね、燃やさないまま土葬にするのは衛生的にも良くないのよ。細菌が蔓延して、病気も流行るしね」 やはり、彼女に看取られて燃やされるのならば本望だ。 [戻][進] |