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ほっぽかれた日記
2011.12.01(木) 22:42
『ねえ、そこの君ー。』
忘れもしない。運命の時。
初めて、愛する方に出会ったあの時。
私に湧き上がったのは、まず驚きだった。
『一人でうずくまって、ひょっとしたら暇だったりするかい?』
彼が見つめる方向には、野良猫しかいない筈だった。
この国には、そんな野良猫は山ほどいた。
気にとめるなんて…旅行者だろうか。
『ねえ、君。』
私の思考は止まった。
彼が、私の頭に手を置いたのだ。
人が近づいた事に驚いて、猫は走り去ってしまった。
彼が見つめる先には、何もいない筈だった。
人の目に映れない、私を除いては。
『暇なら、どうだい?僕について来ないかな?』
彼は笑ってそのまま撫でた。
忘れもしない、雪の日だった。



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